【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第4次産業革命のための競争力強化法案、2017年通常国会以降に提出へ IT業界大幅再編か

2016年06月02日 20時40分23秒 | 第194回臨時国会(国難突破冒頭解散2017年9月)

 第4次産業革命を後押しするための、IT業界の企業再編・合併を促進する法案が、平成29年2017年1月召集の通常国会に提出する方針となりました。

 第3次安倍内閣が、6月2日(木)の臨時閣議で決定した「日本再興戦略2016」の中に、「② スピード感あるビジネスの新陳代謝の促進」 が盛り込まれ、「本年中を目途に結論を出し、次期通常国会を含め、早期の関連法案の提出も視野に、必要な措置を講ずる」と明記されました。

 イギリスの蒸気機関の発明により、ピーター・パンを除くすべての大人が、時計台ビッグベン(修理中)がにらみつける街で、大資本と時間の奴隷になった第1次産業革命、アメリカのエジソンさんが先願主義で得た特許のうち電子投票機を除く多くの特許が製品化された第2次産業革命、ビル・ゲイツさんらのIT、ドットコムバブルの第3次産業革命に次ぐ。

 日本再興戦略2016は「今後の生産性革命を主導する最大の鍵は、IoT(Internet of Things)、ビッグデータ、人工知能、ロボット・センサーの技術的ブレークスルーを活用する「第4次産業革命」である」と設定。

 そのうえで、

(1)スピード感あるビジネスの新陳代謝の促進
 「第4次産業革命を見据えた新陳代謝の促進・事業再編の円滑化等・ビジネスモデルの移り変わりのスピードが劇的に拡大する中、イノベーションを生み出す研究開発、グローバル競争で勝つための有形・無形資産等への戦略的な投資、経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するために必要な施策について検討を進め、制度的対応の必要性を含め、本年中を目途に結論を出し、次期通常国会を含め、早期の関連法案の提出も視野に、必要な措置を講ずる」。

(2)第4次産業革命等を勝ち抜く知財・標準化戦略の推進
 「情報の集積・加工・発信の容易化・低コスト化、著作物を含む情報の利用の一層の多様化、人工知能による創作事例の出現等、著作権をはじめとした知的財産(以下「知財」という。)の保護の在り方をめぐって制度上の新たな課題が顕在化してきている。こうした課題を分析した上で、第4次産業革命に対応した次世代知財システムの在り方に関し、著作権法における柔軟性のある権利制限規定等について、次期通常国会を含めた早期の法改正に向けて、その効果と影響を含め具体的検討を進めるとともに、必要な措置を講じる」。

 このうち(2)の動きについて、当ブログはすでに先月10日に、(

AI、3Dプリンター、ビッグデータの著作権の制限と保護、法案検討へ 知的財産推進計画2016

) 

 として報じました。

 (1)の事業再編ですが、これは、2013年秋の臨時国会で成立した産業競争力強化法(関連エントリー

第185臨時国会提出の産業競争力強化法案、企業合併で「新陳代謝」 大いに支持したい【追記あり】

) 

 と同じ立てつけの法案になるとみられます。

 すなわち、産業競争力強化法のように三菱電機と日立の火力発電機製造部門の統合会社の設立や、サントリーによる外資のジンビームの1・6兆円買収などの第2弾として、IoT、ビッグデータ、人工知能の業界で統合、合併、買収を促し、政策減税で底上げすることで、1人当たりの生産性を高めるのが狙いだと考えられます。

 ぜひ、実現してほしいものです。

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