【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【岡田克也代表】社会保障財源の赤字国債を批判した自民党に「借金1000兆円つくった人に言われたくない」

2016年06月09日 18時25分05秒 | 岡田克也、旅の途中

 民進党の岡田克也代表が第190回国会の平成28年2016年5月25日(水)のQT党首討論で、消費増税先送りと、その間に赤字国債を使った社会保障の充実(年金加入期間の引き下げなど)を求めたことについて、与党・自民党が第24回参院選に向けて批判を強めています。

 自民党の塩崎厚労相

 「民進党は赤字国債を財源に社会保障の充実を行うというような、無責任なことをおっしゃっていますが、これは子どもの財布から了解なしに金を抜き取るような話でありますから、我々はしっかりと財源確保をしながら社会保障を充実させるという、3党合意とはまさにそのことで合意した、3党の枠組であったと思います。民進党、旧民主党の皆様はそれを忘れてしまったと見えます。子ども達に対して最も無責任なことをやろうとしていると私は思います」(おとといの大臣会見) と語ったことについて、

 「1000兆円も借金をつくった人に言われたくない」と自民党を批判しました。6月9日の定例記者会見=写真・筆者宮崎信行撮影=で語りました。

 岡田さんは、参院選後のアベノミクスについて、

 「今後、第2の矢の財政出動に重点が移っていくんでしょうが、公共事業を増やすだけでは古い自民党に戻っただけで借金を増やすだけです」と分析。

 そのうえで、民進党対案について、「成長と分配の両立で、人への投資、格差の是正、所得の再分配をはかる。所得、消費が安定すれば経済成長する」と語りました。

 私が、財務省理財局の新規発行国債の「最高」落札価格がマイナス金利になっていることを踏まえて、この先に8兆円程度の補正予算ならば赤字国債を発行しないでも予算が組めるのではないかと聞いてみました。8兆円の内訳は、国債利払い費の削減見通しと不用額見込み、前年度の税収の見積もりを超えた上振れです。

 岡田さんは気を付けなければならないのはその時の国債費も赤字国債だということです」と指摘しました。

 これは私も聞いた時点では勘違いしていましたが、税収と当初見積もりの新発国債の金額はまったく変わらない中で、8兆円(私の試算、前年度などの不用額・剰余金含む)が出てくるという話であり、国債発行に伴う歳入の歳出先が変わっただけの話です。だから、借金総額は減りません。

 岡田さんは「だから赤字国債の使途が変わっただけで、塩崎さんの言うことは見当違いだ」と語りました。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い 

このブログは以下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

日本法令索引(国立国会図書館)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせ終わり]


「対案は出すけど審議入りを求めない民進党」とああ言えばこう言う公明党に「あり得ない」と岡田克也代表

2016年06月09日 18時17分22秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 民進党の岡田克也代表(ネクスト首相)は、平成28年2016年6月9日、党本部で記者会見を開きました=写真・筆者宮崎信行撮影=。国会閉会中は木曜日の午後2時(開会中は金曜日の午後3時)が定例。

 先の第190回通常国会の最後の公明党演説となった、5月31日(火)の佐藤茂樹さんの演説。

 衆議院会議録のウェブサイトから。

 佐藤さんは、

 「民進党の諸君には猛省を促したい。(略)ここで、あえて、今国会における民進党の政治姿勢に対し、申し上げておきたい。(略)軽減税率導入を決めた改正所得税法等の対案として、給付つき税額控除導入法案を提出しました。ところが、民進党は、驚くべきことに、今国会中、本日まで、議運理事会や財務金融委員会理事会で、同法案の委員会審議を求めたりすることはありませんでした(略)結局、民進党が審議を求めなかったのは給付つき税額控除に自信がない証左であり、法案提出はパフォーマンスにすぎなかったということであります。」 と語りました。

 安倍自民党と公明党の常套句、「対案を出さない民主党」批判が、先の国会の会期末には、「対案を出すけど審議入りを求めない民進党」へとすり替わったわけです。

 岡田代表はこれについて「あり得ない批判だ。民進党は法案を国会に提出しているのだから、それを尊重して審議するのは当然のことであり、最後にそういう言い方をするのは理解できない」と激しく批判しました。

 佐藤さんの演説全文は以下の通り。

衆議院会議録ウェブサイトから引用はじめ]

平成二十八年五月三十一日(火曜日)

    ―――――――――――――

  平成二十八年五月三十一日

    午後一時 本会議

    ―――――――――――――

○本日の会議に付した案件

 安倍内閣不信任決議案(岡田克也君外三名提出)

    午後三時三十二分開議

○議長(大島理森君) これより会議を開きます。

(中略)

○佐藤茂樹君 公明党の佐藤茂樹です。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました安倍内閣不信任決議案に対し、断固反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)

 以下、四点にわたり、反対の理由を述べさせていただきます。

 第一に、安倍内閣において、我が国の経済は、民主党政権時と比較して圧倒的に前進しているということであります。

 企業の業績は大幅に改善され、その収益が着実に雇用や賃金に回っています。失業者は約六十万人減少し、失業率は三・二%と十八年ぶりの低水準で推移。有効求人倍率は一・三四倍で二十四年五カ月ぶりの高水準となっています。就業者数も三年前に比べ約百四十万人増加し、ことし三月に卒業した大学生の就職率は過去最高の九七・三%と五年連続で改善しています。政権交代前にはほとんど実施されなかったベースアップは、三年連続で多くの企業で実施され、中小企業においても、全ての地域で賃上げの割合が上昇しています。

 こうした景気回復によって、国税と地方税を合わせた税収は年々増加し、民主党政権時代に比べて、国税で十五兆円、地方税を含め二十一兆円も増加。GDPもプラス基調に転じ、八千円台まで落ち込んでいた株価も、現在は約二倍の水準に上昇しています。

 これらの取り組みが高く評価され、内閣府が今月九日に公表した社会意識に関する世論調査では、社会満足度の割合が過去最高の数値となっています。

 内閣不信任決議案ではアベノミクスの失敗などと言っていますが、これら経済指標と国民の声を完全に無視しているものであり、全く理由も根拠もない、単なるパフォーマンスにすぎないと強く申し上げるものであります。

 今後は、アベノミクスの成果を生かし、成長と分配の好循環をなし遂げ、景気回復の実感を地方へ、中小企業へ、家計へ確実に届けることが必要です。その実現に向け、政府・与党は全力で取り組んでまいります。

 第二に、安倍内閣こそが我が国の諸課題に着実に対応できるということであります。

 さきの国政選挙で再び信任を得た自公連立政権は、安定した政治基盤のもと、デフレ脱却や雇用環境の改善、東日本大震災の復興加速、外交、安全保障等の諸課題に全力で取り組み、数多くの成果を生み出してきました。

 今国会では、提出された閣法の九〇%近い五十本の成立が見込まれます。軽減税率の導入を決めた改正所得税法や障害者の生活と就労支援を充実させる改正障害者総合支援法、一人親家庭の支援を拡充する改正児童扶養手当法など、生活者の視点に立った多くの法律が成立しました。

 また、先日の二十六、二十七両日に開かれた伊勢志摩サミットでは、議長を務めた首相のリーダーシップが高く評価されるとともに、アメリカのオバマ大統領が現職の大統領として初めて被爆地広島を訪問し、核なき世界の実現に向けた歴史的な一歩を踏み出したことで、九割を超える国民から高い支持を得ています。平和と安定を求める安倍内閣への期待の声はますます強くなっているものと実感いたします。

 ところが、驚くべきことに、日ごろより尊敬申し上げる民進党の蓮舫代表代行も、御自身のツイッターに、安倍内閣の外交は高く高く評価しますと投稿されたそうです。これは、安倍内閣への信任ということではないですか。

 この一事をもってしても、今回の不信任決議案には理由がないことが明らかであるということを指摘するものであります。

 少子高齢化や人口減少問題など、我が国が抱える課題は深刻です。全ての人が輝き活躍できる社会を実現するためにも、国民から信頼される政策運営を進めることが不可欠です。これまで着実に政策を実現してきた自公政権、安倍内閣だからこそ、その責任を果たす使命があり、不信任には全く値しないと強く申し上げる次第であります。

 第三に、平成二十八年熊本地震、東日本大震災からの復興加速は、政府・与党が被災者に寄り添い、きめ細かな支援に総力を挙げて取り組んでいるということであります。

 熊本や大分などを襲った地震に対し、公明党として、発災直後直ちに党本部に対策本部を設置。各議員が被害現場へ直行し、政府へ二度にわたる緊急要請を行うなど、被災者に寄り添った支援に全力を挙げました。そして、公明党が主導し、震災復旧のための補正予算を早期に成立させ、被災者への義援金が差し押さえられないようにする義援金差押禁止法案を提案から約二週間というスピードで成立させました。

 一方、民進党は、補正予算を審議する際、質疑者六人のうち三人が被災地に関係のない質問を行いました。中継を見ていた被災者の気持ちをおもんぱかるとき、本当に残念でなりません。

 結局、民進党は、政局優先、被災者無視なのであります。この指摘に対し、民進党の諸君は果たして自信を持って反論できるのでしょうか。

 本年、発災から五年を迎えた東日本大震災の復興は、集中復興期間を終えて、四月から復興・創生期間の新たな五年に入りました。被災者は今なお十六万人を超え、現在被災地では、仮設住宅の空室化が進行し、入居者の孤立化が深刻になっています。次の五年は、心の復興、人間の復興への取り組みを一層強化し、どこまでも被災者に寄り添った支援を政府・与党一丸となって進めていく決意です。

 近年は、震災被害のみならず、広島市の土砂災害、茨城県常総地区の大水害、御嶽山の噴火など、大規模な自然災害が発生し続けています。想定を超えるこれらの災害にも、迅速にきめ細かく手を打ってきたのが自公政権です。平成二十八年熊本地震、東日本大震災からの復興とともに、防災・減災対策のさらなる強化が今こそ求められています。

 遅い、鈍い、心がないと言われた民主党政権時代の東日本大震災の対応を振り返れば、自公政権、安倍内閣が引き続き政権を担うことが、国民のための安全、安心な国づくりを加速させることは間違いありません。よって、内閣不信任案は断固否決するべきであると重ねて申し上げます。

 第四に、安倍内閣は、我が国の安全保障に責任を持ち、平和外交を進めていくということであります。

 昨年成立した平和安全法制は、厳しさを増す安全保障環境に対応するため、日米同盟の信頼性を強化し、抑止力を高め、国際社会の平和と安定に貢献することを通じて、我が国の平和と安全を一層確かなものにするものです。こうした法整備を進めることで、戦争を未然に防ぐだけでなく、平和外交が一層推進されます。

 実際に、法案成立直後、公明党の山口代表は、韓国の朴槿恵大統領や中国の習近平国家主席と会見。法案成立から約一カ月で、日中韓首脳会談がソウルの地で三年半ぶりに実現しました。

 一方、民進党は、平和安全法制に対し、今国会において領域警備法案などの対案を提出しました。ところが、民進党は、同法案について、結局最後まで積極的に審議しようという姿勢が見られませんでした。民進党は一体どのように平和な日本を構築しようとしているのでしょうか。民進党には、日本の安全保障に対し、危機感が全くないと申し上げざるを得ません。

 民進党の諸君には猛省を促したい。

 そもそも、昨年否決された内閣不信任決議案においても、安保法案は立憲主義のじゅうりんとしていたにもかかわらず、今回も同様の理由で不信任決議案を再提出するということは、公党としても見識を疑わざるを得ません。

 一部野党が戦争法案などと国民の不安をあおるレッテル張りを続けているのは、全くの見当外れと言えます。

 公明党は、今後も対話外交をさらに進め、平和の党としての役割を果たしてまいります。

 以上が、内閣不信任決議案に反対する理由であります。

 ここで、あえて、今国会における民進党の政治姿勢に対し、申し上げておきたい。

 第一に、民進党が提案する給付つき税額控除についてであります。

 本年二月、当時の民主党は、軽減税率導入を決めた改正所得税法等の対案として、給付つき税額控除導入法案を提出しました。ところが、民進党は、驚くべきことに、今国会中、本日まで、議運理事会や財務金融委員会理事会で、同法案の委員会審議を求めたりすることはありませんでした。

 給付つき税額控除制度は、国民一人一人の所得把握が難しい、給付を受けるのに申請が必要で国民に手間をかける等、さまざまな課題が指摘されているところであり、国民生活の負担軽減のために最も現実的なのは軽減税率制度であります。

 結局、民進党が審議を求めなかったのは給付つき税額控除に自信がない証左であり、法案提出はパフォーマンスにすぎなかったということであります。

 第二に、特に終盤国会で顕著だったのは、民進党は、自身が推進したいと思っても共産党の主張にかなわない法案については成立させなかったということであります。

 例えば、フリースクールなどの多様な教育の機会を確保するとともに夜間中学への支援などを定めた教育機会確保法案について、民進党は法案の提出会派であるにもかかわらず、参議院民進は、全会一致でないものは送られても処理できないとして、共産が反対する法案は処理しない姿勢を示し、衆議院からの同法案の受け取りを事実上拒否、今国会成立は不可能になったのであります。休眠預金活用法案もしかり、政見放送に関する公職選挙法案もしかりです。

 選挙優先主義で、国民生活にとって大事な法案をないがしろにする民進党の態度については、厳しく指摘するものであります。

 また、昨日、女性の政治参画推進法案についても、超党派の議連を中心に与野党で法文案をつくり、各党の手続を残すのみであったにもかかわらず、民進党、共産党は勝手に法案を提出しました。強く抗議するとともに、政治にとって大事なことは信義であり、誠実に約束を守るか否かを有権者は厳しく見ているということを申し上げたい。

 最後になりますが、日本が抱える政治課題は山積しています。それに対する認識については、共産主義社会を目指す一部野党以外は、与党も野党も大きな認識の違いはないはずです。それでは、重要な違いは何か。その課題に対し、責任を持って実行できる能力があるかどうかです。

 政権構想や基本政策で違いが大きくばらばらの野合集団が、選挙のためだけに共闘し、国のかじをとるようなことにでもなれば、日本は再び沈没し、政治の混乱は避けられないことは火を見るよりも明らかです。

 決められない政治で混乱を招いた民主党政権時代の三年半と、その後の、責任ある政治を貫き結果を残し続けてきた自公連立政権の三年半を比較すれば、どちらが真に国民の期待に応える政権であるかは言うまでもありません。

 改めて、このたびの内閣不信任決議案に対して断固反対し、私の討論を終わらせていただきます。(拍手)

(後略) 

[引用おわり]

 このエントリー記事の本文は以上です。 

このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い 

このブログは以下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

日本法令索引(国立国会図書館)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせ終わり]