【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

改正刑事訴訟法は平成28年6月3日公布へ、 司法試験の反映は平成30年以降か

2016年06月03日 23時59分40秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

(このエントリーの初投稿日時は、2016年5月31日午前7時で、6月3日付で再投稿)

 第190回国会で成立した「改正刑事訴訟法(刑事訴訟法を改正する法律)」は、平成28年6月3日に公布されることになりました。

 法律は「公布の日から起算して3年以内の政令で定める日」に施行します。

 気になる司法試験への反映日ですが、法務省ウェブサイトによると、

Q26 試験の近い時期に法令の改正があった場合,出題は,どの時点の法令に基づいてなされるのですか?
A   法令の改正があった場合も,原則として,試験日に施行されている法令に基づいて出題されます

 となっています。施行日は、平成30年4月1日以降となると予想されますので、新しい法律が司法試験の論文式試験の問題文の条文に引用されるのは、平成30年2018年ないし平成31年2019年に行われる司法試験からになりそうです。

 ご自身でご確認いただきたいと存じます。

 このエントリー記事の本文は以上です。 


改正刑事訴訟法、ヘイトスピーチ法(有田・小川法)、生産性向上税制法など17法律公布

2016年06月03日 14時39分39秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 天皇陛下は、平成28年2016年6月3日(金)、改正刑事訴訟法など17法律を公布なさいました。

 国会で成立した次の閣議で決定し、それから3営業日後の官報に告示されることで、法律は公布されます。公布は、国立印刷局が印刷した官報が、47都道府県にある官報販売所に到着した時点で公布されたとみなすことになっています。

 後々まで大事な法律が公布されました。法律番号順ではなく、重要順に行きますと、

 「改正刑事訴訟法」(平成28年6月3日法律54号)は司法取引を初めて導入します。

 「ヘイトスピーチ規制法(本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律)」が公布され、直ちに施行されました。参院野党が主導した今年唯一の制定法律。有田・小川法と呼んでもいいのではないでしょうか。 会期末をにらんだかけひきもあるため、1日で17法律公布ということになってしまうのですが、それがあるから、この法律もできたということになります。

 「フィンテックとビットコインを推進する改正銀行法及び改正資金決済法」(平成28年6月3日法律62号は、ビットコインなどコンピューター上のチェーンブロックを使った貨幣を、貨幣と初めて認定し、金融庁が監督することになりました。日本銀行券が異次元の金融緩和をする経済発展史において歴史的な出来事になるのかもしれません。

 「改正特定商取引法」(平成28年6月3日法律60号)と「改正消費者契約法」(平成28年6月3日法律61号)。とくに特商法は初の大規模改正になりました。あまり話題にならないのですが、消費者庁はていねいな仕事で頑張っていると思います。

 「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」(平成28年6月3日法律58号)は、改正法ですがタイトルが新しくなりました。公布の日から起算して3か月以内の政令で定める日に施行されるため、生産性向上設備投資促進税制は、遅くとも9月2日までに施行します。

 「改正FIT・再生可能エネルギー買い取り特別措置法」(平成28年6月3日法律59号)は、太陽光発電を入札するに法律。菅直人内閣退陣の引き換えに成立した法律は、大きな効果を上げたうえで、消費者のために価格を中庸にする新しい歴史的段階に入ります。

 「改正酒税法」(平成28年6月3日法律57号)は、財務大臣が酒のディスカウント販売について適正な基準を定めて規制することができるようになります。

 「改正宅建業法(改正宅地建物取引業法)」(平成28年6月3日法律56号)で、重要事項説明書でインスペクションをしたかどうかを盛り込まなければならないことになります。

 「改正特区法」(平成28年6月3日法律55号)は、白タクや企業の農地保有が解禁されます。

 「改正法テラス総合法律支援法」(平成28年6月3日法律53号)は、法テラスについて、抜本的な見直しとしては初めての改正で、先行した東北に加えて全国的に災害にあった人の法律相談が無料になります。

 「平成28年熊本地震災害義援金差し押さえ禁止法」(平成28年6月3日法律67号)は直ちに施行しました。

 「改正児童福祉法」(平成28年6月3日法律63号)は、抜本的な改正ですが、厚労省内部の専門家会議の議論の過程とは異なっている部分がありますので、専門の方はご確認いただきたいと存じます。

 「改正障害者総合支援法」(平成28年6月3日法律65号)は、タイトルの中に「児童福祉法」の文字がありますが、上記とは別の法律で、介護保険との障害者支援サービスの併用など網羅的な改正がされました。

 「発達障害者支援法」(平成28年6月3日法律64号)は、自閉症児などと自治体の連係を盛り込みました。

 「改正確定拠出年金法」(平成28年6月3日法律66号)は、日本版401kに関する改正です。

 「改正裁判所職員定員法」(平成28年6月3日法律52号)は、毎年制定されている法律です。

 なお、来週火曜日に6法律公布され、先の第190回国会の制定法律は74本になります。

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い 

このブログは以下のウェブサイトを活用して、エントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

日本法令索引(国立国会図書館)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせ終わり]