【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

アベノミクス第1の矢の限界が視野に、三菱UFJ東京銀行が、仮想通貨発行、国債入札資格辞退

2016年06月11日 22時40分17秒 | 第24回参院選(2016年7月)

[写真]8日付日経新聞と10日付朝日新聞。

 今週の新聞でいくつか歴史的転換点になりかねない報道がありました。

 2016年6月8日(水)付日経新聞は、邦銀最大手の三菱UFJ東京銀行が、財務省理財局の国債入札の「プライマリーディーラー」を辞退し、今後は、一般の機関として、入札に参加すると決めたことを報じました。10日(金)付け朝日新聞は同行が仮想通貨MUFGコインを発行することを報じました。

 ただし、これらの「ボリューム感」は三菱側から示されておらず、小規模の政府・日銀への牽制の可能性もなきにしもあらずです。

 安倍晋三・自民党公明党内閣が、黒田東彦総裁を据えた日本銀行が続けてきた、アベノミクス第1の矢、異次元の金融緩和の限界を見据えた経営戦略と考えられます。

 今日時点で、マネタリーベースは、350兆円を超えており、日銀は300兆円の国債を抱えています。日本銀行が自ら日銀券を毀損する、非伝統的(人類史上初めて)金融政策は、4年目に突入。

 このため、年80兆円ペースだと、2020年に前後して、民間の国債がなくなると見込まれています。

 三菱財閥系では、江戸時代に政府から払い下げを受けて三菱重工業長崎造船所をつくり、、日本郵船が日露戦争で船を徴用(人間でいう徴兵に相当)され、「敵艦見ゆ」と打電したことは有名です。

 先の国会で、政府が仮想通貨を初めて認めて金融庁が監督することを決めた改正銀行法及び資金決済法が成立しており(未施行)、2020年に前後したアベノミクス第1の矢をめぐる想定される経済混迷を予期していることは確実です。

 過去100年間の半数以上の時期にわたり、総理をつとめた自民党の人口政策の失敗による、有効求人倍率の向上(就業人口の極端な供給減少を、高齢者の需要が支える見かけ上の好況)をアベノミクスの功績とする、能天気な安倍首相。ただ、地方議会(東京都内)では、いまだに共産党議員の質疑をはなから聞かないなど、永田町における歴史の変化に気づいていない、自民党地方議員が多く、参院選において様々な不確定要素をかかえたまま、残り1カ月を切りました。

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