ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

はつらつ辻元清美国会対策委員長「立憲主義を守る国会と忖度決着国会だ」と第196回通常国会を設定

2018年01月10日 21時00分11秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]辻元清美・立憲民主党国会対策委員長、きょう平成30年2018年1月10日、国会内で筆者・宮崎信行撮影。

 女性初の最大野党国会対策委員長となった辻元清美さんは、22日召集の第196回通常国会を、

 「立憲主義を守る国会」と「忖度決着国会」にする、と意気込みを見せました。

 与党の安倍晋三首相は「働き方改革国会」と設定しています。通常国会前の設定というのは、与野党とも外れるわけですが野党としての攻撃的姿勢を強く打ち出したかっこうです。

 辻元さんは、午前9時30分からの野党6党国会対策委員長会談と、午前10時半過ぎの自民党・立憲民主党国会対策委員長会談のブリーフィングに応じました。

 この中で、党首討論のやり方の整理や、沖縄で相次ぐ米軍事故を受けた衆議院安全保障委員会の閉会中審査を求めたことを明かしました。

 辻元さんは、囲み取材の質問が終りかけたころ、突然「ところで、みなさん明けましておめでとうございます!」と話を変えて、カメラ目線で、通常国会にのぞむ意気込みを語り、持ち前の発信力を活かしました。

はつらつ辻元清美さん、初の最大野党国会対策委員長「立憲主義を守る国会」「忖度決着国会」20180110 宮崎信行撮影

 辻元さんは、「2つの意味で重要な国会になる」とし、「まず一つ目は、憲法国会であり、立憲主義を守る国会だ。そして、忖度決着国会だ。(昨年末以来、ペジー社のNEDOからの不正補助金など)スパコンの問題や、(JR東海リニア中央新幹線をめぐる4大ゼネコンの)談合の問題が出てきたが、(昨年2月以降の森友・加計問題の)忖度に誰も責任を取っていない。誰が責任を取るのか」と語りました。

 野党の伝統的な、勇ましい言葉でいうところの、(国会質疑で大臣辞任を追い込むなどの)首を取る戦術をとることを強調したかっこう。そのうえで、辻元さんは「野党6党がしっかり力をあわせて、前に進んでいく」と、野党のまとめ役を買って出ました。なお、6党は、立民、希望、無所属の会、共産、自由、社民の6党で、維新は除外されています。


[写真]野党6党国対委員長会談に臨む、左から、社民の照屋寛徳、共産の穀田恵二、希望の泉健太、立民の辻元清美、民進の平野博文、自由の玉城デニー(写真の外)の各国対委員長、きょう、国会内で、筆者・宮崎信行撮影。


 野党もすっかりバラバラになりました。 

 私は民主党最後の写真(同党提供写真)をトリミングした下の写真をよく使っています。



 ただ、これはトリミングのし過ぎで、もう少しズームアウトすると次のようになります。



 ちなみに、民主党からいただいた元写真のサイズを小さくして保存していたので、今、トリミングしなおしたら、ずいぶん解像度が粗い写真になってしまいましたが、他意はありません。

 それとなにをかくそう、辻元さんと私は驚くべき共通点があります。それは早稲田大学同窓生ということですね。

 まあ実は民進党は、希望の党との統一会派で、召集前に、野党第一会派になろうという意気込みはそんなに無いようです。辻元さんがストップをかければ、枝野幸男代表だって予算委員会に登板できない。それほどの大権力者が、最大野党国会対策委員長です。これは女性大臣よりすごい。なかなか、立憲主義を守るたたかいは、既に峠を越えてしまったと私は考えますが、「力をあわせて前に進む」との明るい掛け声が、新年早々、さわやかに鳴り響きました。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2018年、宮崎信行。

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経世会出身、公明党推薦の中村喜四郎さんが、無所属の会に入会 田中角栄生誕100周年

2018年01月10日 18時28分44秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]無所属の会の岡田克也代表(左)、きょう平成30年2018年1月10日(水)、都内で筆者・宮崎信行撮影。

 茨城7区選出の衆議院議員、中村喜四郎さんが、無所属の会に入会しました。

 中村さんは当選14回。無所属の会の代表をつとめる、岡田克也さんよりも、5回当選回数が多く、4歳年上。

 中村さんは、岡田さんと同じく、自民党竹下派「経世会」出身。中村さんと岡田さんは、経世会の中でも、安倍晋三首相の祖父の弟である佐藤栄作系ではなく、田中角栄・金丸信・小沢一郎系。ことしは田中角栄先生(角さん)の生誕100周年となります(5月4日)。

 茨城県内では、同じ派閥の梶山静六さんと盟友関係で、ゼネコン汚職逮捕後が、梶山静六官房長官が、7区を訪れ、「私が代わりに逮捕されていればこんなことにはならなかった」と応援演説しました。

 7区では、新進党を離党し、自民党の茨城県連会長を長く務めた山口武平・元県会議員がおす、永岡洋治さん及び永岡佳子さんに対して、小選挙区で当選。ここ数回は公明党推薦を受けており、全国で唯一、自民党公認候補ではない候補者に公明党が推薦を出していました。

 第48回衆院選では、中村さんは、県都1区で、民進党の流れをくむ野党の公認候補を堂々と応援しました。

 5年ほど前から、同じ経世会田中系の二階俊博さんが会長をつとめ、田中事務所があった、砂防会館に本部を置く、志帥会に入会していましたが、自民党に復党はしていませんでした。

 今後は、左翼リベラル路線をとる、立憲民主党とは一定の距離をとり、自民党内で干されている、平成研究会、志帥会の2つの派閥を中心とした、政界再編も期待されます。

 (C)2018年、宮崎信行。

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【司法】選択的夫婦別氏を念頭に、戸籍法の憲法違反を提訴 サイボウズ・青野社長訴訟

2018年01月10日 06時26分52秒 | 第201回通常国会(2020年1月から6月)「コロナ感染症」

 寺田逸郎・最高裁長官が、先週末、8日、定年退職。大谷直人長官がきのう、平成30年2018年1月9日(火)に就任しました。これにあわせたのでしょうが、サイボウズ社の青野慶久社長ら4名が、作花知志弁護士とともに、外国人には選択的夫婦別氏(選択的夫婦別姓)を認めた戸籍法が、憲法違反(違憲)だとして、東京地裁に訴えました。

 最も政治的な長官だった寺田時代に、平成27年12月16日(水)の大法廷判決「平成26年(オ)第1023号 損害賠償請求事件 平成27年12月16日 大法廷判決」で、現行民法を合憲だとされました。この日の最高裁は、相続での婚外子差別を書き込んだ、当時の民法900条第4項を違憲だとしており、違憲と合憲をセットにした、世襲長官で法務省に民事局長として出向したこともある寺田時代でも最も政治的な一日となりました。

 寺田長官の定年をねらったのでしょうが、今度は戸籍法が違憲だと提訴しました。またこの日は、宮崎裕子判事が就任し、旧姓使用を記者会見で宣言しました。青野訴訟では「日本人と外国人の結婚では夫婦で別の性を選べるのに、日本人同士の結婚で別姓を選べないのは違憲だ」としているようです(朝日朝刊)。

 戸籍法を読むと、その第6条で、戸籍は本籍を置く市町村の区域内の夫婦及び氏を同じくする子ごとに編製する、とあります。後段では、外国人と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する、とあります。他の条項もあるのでしょうが、外国人は婚姻時に、氏を選べるということになりそうです。
 
 平成27年判決では、婚外子訴訟では嫡出児と婚外子の差別が憲法14条法の下の平等違反。夫婦別姓では、夫と妻の差別(妻ばかりとは限らない)は合憲となったわけです。今回は、日本人と外国人の差別(逆差別?)が法の下の平等に反すると訴える作戦のようです。

 憲法訴訟ですので、数年内に、最高裁の判断があるでしょう。

 ただ、違憲となった場合の、立法事実としても、戸籍法の改正としては、夫婦が別々に戸籍を持つことができる、ということになりかねません。青野社長をはじめとする考え方は、選択的夫婦別姓ですから、仮に数年内に違憲だとする決定が出ても、家族法そのものの在り方が国会で問われることになります。


 なので、選択的夫婦別氏は、法務省内で議論され、戸籍法の改正もマイナンバーに関して法務省内で有識者を交えて議論されていますが、国会内での議論で、法改正に結びつくまでは、まだ数年ないしそれ以上の時間がかかりそうです。

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