[写真]ビフォーコロナで取材する筆者・宮崎信行、おととし2019年、ホテル・ニューオータニで。
かなり大事な動きがありました。最近ページビュー数が少ないのですが、最後まで読んでください。
【衆議院議院運営委員会 令和3年2021年3月9日(火)】
与党国対は、霞が関に対して、通常国会の政府提出法案は3月上旬までの閣議に請議するよう課しています。きょうが最後の定例閣議でした。
坂井学・内閣官房副長官が理事会に陪席。1月18日に提示した提出予定法案のうち2法案が提出できなくなったとしました。「重要施設周辺土地外資所有の規制法案」は公明党の北側一雄副代表が私権の制限などを問題視していましたが、与党政調の調整がつかず、提出そのものを見送ったと説明がありました。「貿易保険法改正案」については、行政の不祥事があったため見送るとしました。また「RCEPの承認を求めるの件」(204条約1号)に脱漏があったとしました。
当ニュースサイトは1月5日付で「【法案】内閣府、基地周辺の外資などの土地所有の「思惑」の情報収集法案を2021年通常国会提出へ」と報じましたが、与党内の事前調整でダメでした。
RCEPについては、きょねん11月10日付で報じました。
【衆議院本会議 きょう】
「原子力施設等立地地域振興特別措置法を単純に10年延長する改正法案」(204閣法8号)は立憲・共産反対、自民・公明・維新・国民の賛成多数で可決し、参議院に送られました。
「デジタル庁関連6法案」(204閣法26号ないし31号)のうち、内閣委員会に付託される予定の5法案が審議入りしました。重要広範議案指定なので首相入り質疑があります。
平井卓也デジタル相が趣旨説明演説。長時間になりました。数か月前は、ハンコをめぐる閣僚同士のやりとりでテレビをにぎわせました。
自民党の3期生の「小林」は3人いますが、小林鷹之さんが代表質問。これに対して、平井デジタル相は「法案の参考資料に28カ所誤りがあったことをお詫びします」とし、正誤表で対応してほしいとしました。立憲民主党の森田俊和さんは「内閣委員会の与党の筆頭理事も説明を受けていないようだ」としました。同党の安住淳国対委員長もゆうべ説明を受けたとしています。菅義偉首相は総務省接待問題の問いも受けました。
ちなみに、2014年の通常国会では、「労働者派遣法改正案」の附則の経過措置で「懲役1年以下」を「懲役1年以上」と一文字間違えたミスがあり、廃案となりました(当ニュースサイト2014年6月20日付記事「労働者派遣法改正案」が第186通常国会で廃案 民主党、「生涯ハケンで一生搾取」の奴隷化阻止」)。
【衆議院総務委員会 同日】
「過疎法を10年延長するなどの改正法案」(204衆法 号)が全会一致で決まり、総務委員長が本会議に提出することになりました。当ニュースサイトが1月5日付で報じたときは「【議員立法】与野党「過疎法」の延長法案で大筋合意、3月31日より前に成立の公算、国庫補助率かさ上げ5年間延長で令和8年まで」としていました。しかし、「令和13年3月31日まで、10年延長する」という法案になりました。
法案は10年間の延長に加えて、人口要件を昭和50年から40年間の人口減少率とし財政要件も微修正しました。このため対象市町村が若干入れ替わる見通し。石田祝稔委員長は提案理由説明で「4次にわたる過疎法は工業などの立地に効果があった」「人口減少は続いている」としました。質疑では立憲民主党の山花郁夫さんは「地方交付税の交付団体、不交付団体のように、過疎法を卒業したくない自治体もあるようで、卒業へのインセンティブが必要ではないか」と指摘しました。採決では全会一致で起草すべきだ、と決まりました。
【参議院第1種常任委員会 同日】
経済産業委員会をのぞく10委員会でいっせいに、大臣の所信的あいさつを聞きました。
●経済産業委員会は衆参とも開かれず
先週金曜日の衆、きょうの参とも、経済産業委員会は定例日なのに開かれず梶山経済産業大臣や公取委員長らの所信的あいさつは見送られました。同省は政策減税を含めた日切れ法案と、特許法などの包括的改正法案の2本を出しています。貿易保険法改正案は提出断念に追い込まれました。
【衆議院農林水産委員会 同日】
午前中に大臣の所信的あいさつを聞きました。午後は参・農水委でも大臣の所信的あいさつを聞きました。今国会は4法案。枝元事務次官の問題は、大臣に呼ばれたら、その場に事前に聞いた河井克行先生に加えて聞いていなかったアキタフーズ前代表もいて、中座したり割り勘したりは失礼だから切り出せなかったということで、今後、総務省のようには広がることはなさそうです。
【衆議院環境委員会 同日】
小泉進次郎大臣の所信的あいさつに対する一般質疑。大きい法案が多いので、半年ぶりに小泉劇場のような報道になるかもしれません。
【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
大臣の所信的あいさつに対する一般質疑がありました。今国会で法案はありません。
【参議院予算委員会 同日】
「令和3年度予算案」の審議は7日目。そのうち一般質疑2日目で、2巡目の前半、自民党の質問だけが2時間弱コースでありました。次回はあす午後1時からで、一般質疑の2巡目の野党登場コースとなります。
●あす以降の予定
登壇物は19法案ということになりそうです。あさって木曜日は東日本大震災10周年式典で衆議院本会議はなし。金曜日は「思いやり予算の1年間臨時延長の条約の承認案」の審議入りの本会議があるかもしれないし、ないかもしれません。思いやり協定1年延長による補正予算案は技術的に必要ないと思われます。安住淳・国対委員長は来週16日の参議院予算委員会のNTT社長参考人質疑を、衆議院側でもやりたい意向を表明しました。
あす水曜日は、大臣所信に対する一般質疑が衆議院の各委員会でいっせいに開かれます。
【定例閣議】
上述の通り、政府提出法案「204閣法61号」が決定されました。与党国対は3月上旬までの閣議請議を求めており、提出予定63本のうち、上述の内閣官房と経産省の合計2法案は提出断念となりました。このほか「検討中の法案」4本は現在まで提出されていません。
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【衆議院議院運営委員会 令和3年2021年3月9日(火)】
与党国対は、霞が関に対して、通常国会の政府提出法案は3月上旬までの閣議に請議するよう課しています。きょうが最後の定例閣議でした。
坂井学・内閣官房副長官が理事会に陪席。1月18日に提示した提出予定法案のうち2法案が提出できなくなったとしました。「重要施設周辺土地外資所有の規制法案」は公明党の北側一雄副代表が私権の制限などを問題視していましたが、与党政調の調整がつかず、提出そのものを見送ったと説明がありました。「貿易保険法改正案」については、行政の不祥事があったため見送るとしました。また「RCEPの承認を求めるの件」(204条約1号)に脱漏があったとしました。
当ニュースサイトは1月5日付で「【法案】内閣府、基地周辺の外資などの土地所有の「思惑」の情報収集法案を2021年通常国会提出へ」と報じましたが、与党内の事前調整でダメでした。
RCEPについては、きょねん11月10日付で報じました。
【衆議院本会議 きょう】
「原子力施設等立地地域振興特別措置法を単純に10年延長する改正法案」(204閣法8号)は立憲・共産反対、自民・公明・維新・国民の賛成多数で可決し、参議院に送られました。
「デジタル庁関連6法案」(204閣法26号ないし31号)のうち、内閣委員会に付託される予定の5法案が審議入りしました。重要広範議案指定なので首相入り質疑があります。
平井卓也デジタル相が趣旨説明演説。長時間になりました。数か月前は、ハンコをめぐる閣僚同士のやりとりでテレビをにぎわせました。
自民党の3期生の「小林」は3人いますが、小林鷹之さんが代表質問。これに対して、平井デジタル相は「法案の参考資料に28カ所誤りがあったことをお詫びします」とし、正誤表で対応してほしいとしました。立憲民主党の森田俊和さんは「内閣委員会の与党の筆頭理事も説明を受けていないようだ」としました。同党の安住淳国対委員長もゆうべ説明を受けたとしています。菅義偉首相は総務省接待問題の問いも受けました。
ちなみに、2014年の通常国会では、「労働者派遣法改正案」の附則の経過措置で「懲役1年以下」を「懲役1年以上」と一文字間違えたミスがあり、廃案となりました(当ニュースサイト2014年6月20日付記事「労働者派遣法改正案」が第186通常国会で廃案 民主党、「生涯ハケンで一生搾取」の奴隷化阻止」)。
【衆議院総務委員会 同日】
「過疎法を10年延長するなどの改正法案」(204衆法 号)が全会一致で決まり、総務委員長が本会議に提出することになりました。当ニュースサイトが1月5日付で報じたときは「【議員立法】与野党「過疎法」の延長法案で大筋合意、3月31日より前に成立の公算、国庫補助率かさ上げ5年間延長で令和8年まで」としていました。しかし、「令和13年3月31日まで、10年延長する」という法案になりました。
法案は10年間の延長に加えて、人口要件を昭和50年から40年間の人口減少率とし財政要件も微修正しました。このため対象市町村が若干入れ替わる見通し。石田祝稔委員長は提案理由説明で「4次にわたる過疎法は工業などの立地に効果があった」「人口減少は続いている」としました。質疑では立憲民主党の山花郁夫さんは「地方交付税の交付団体、不交付団体のように、過疎法を卒業したくない自治体もあるようで、卒業へのインセンティブが必要ではないか」と指摘しました。採決では全会一致で起草すべきだ、と決まりました。
【参議院第1種常任委員会 同日】
経済産業委員会をのぞく10委員会でいっせいに、大臣の所信的あいさつを聞きました。
●経済産業委員会は衆参とも開かれず
先週金曜日の衆、きょうの参とも、経済産業委員会は定例日なのに開かれず梶山経済産業大臣や公取委員長らの所信的あいさつは見送られました。同省は政策減税を含めた日切れ法案と、特許法などの包括的改正法案の2本を出しています。貿易保険法改正案は提出断念に追い込まれました。
【衆議院農林水産委員会 同日】
午前中に大臣の所信的あいさつを聞きました。午後は参・農水委でも大臣の所信的あいさつを聞きました。今国会は4法案。枝元事務次官の問題は、大臣に呼ばれたら、その場に事前に聞いた河井克行先生に加えて聞いていなかったアキタフーズ前代表もいて、中座したり割り勘したりは失礼だから切り出せなかったということで、今後、総務省のようには広がることはなさそうです。
【衆議院環境委員会 同日】
小泉進次郎大臣の所信的あいさつに対する一般質疑。大きい法案が多いので、半年ぶりに小泉劇場のような報道になるかもしれません。
【衆議院東日本大震災復興特別委員会 同日】
大臣の所信的あいさつに対する一般質疑がありました。今国会で法案はありません。
【参議院予算委員会 同日】
「令和3年度予算案」の審議は7日目。そのうち一般質疑2日目で、2巡目の前半、自民党の質問だけが2時間弱コースでありました。次回はあす午後1時からで、一般質疑の2巡目の野党登場コースとなります。
●あす以降の予定
登壇物は19法案ということになりそうです。あさって木曜日は東日本大震災10周年式典で衆議院本会議はなし。金曜日は「思いやり予算の1年間臨時延長の条約の承認案」の審議入りの本会議があるかもしれないし、ないかもしれません。思いやり協定1年延長による補正予算案は技術的に必要ないと思われます。安住淳・国対委員長は来週16日の参議院予算委員会のNTT社長参考人質疑を、衆議院側でもやりたい意向を表明しました。
あす水曜日は、大臣所信に対する一般質疑が衆議院の各委員会でいっせいに開かれます。
【定例閣議】
上述の通り、政府提出法案「204閣法61号」が決定されました。与党国対は3月上旬までの閣議請議を求めており、提出予定63本のうち、上述の内閣官房と経産省の合計2法案は提出断念となりました。このほか「検討中の法案」4本は現在まで提出されていません。
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