宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

野党は「東北新社」決め手欠く、デジタル庁法案は淡々と5日目の審議、経済産業委員会が実質初開催

2021年03月19日 17時22分03秒 | 第204通常国会令和3年2021年
(17:20初公開)

[写真]菅首相、宮崎信行撮影。

●衆議院本会議
●参議院本会議

 の定例日金曜日ですが、きょうは開催されず、予算案や予算関連法案の委員会での処理が優先されました。

【参議院予算委員会 きょう令和3年2021年3月19日(金)】

 「令和3年度予算案」は15日目で、そのうち集中審議3回目。

 「現下の諸課題、新型コロナウイルス感染症への今後の対応、医療体制の強化、情報通信行政、原子力安全等」という長いタイトルになりました。

 自民党の山田宏さんは自ら、総務大臣に質問。立憲民主党の小西洋之さんがテレビ入り再登場し、「総理が長男から聞き取って答弁してほしい」と促しましたが、首相は「検証委員会の調査をゆがめる」とかわしました。ここにきて、東北新社の「放送政策課長に会おうとしたら休暇中だったので総務課長に会った」という証言についてやや不確かな点が露呈。総務大臣の会食では、アベ友・国鉄三羽烏の葛西敬之JR東海会長に呼ばれたら、不意打ちでNTT社長がいた、というあり得なくもない話。野党がやや慎重になりつつ、来週の攻防に持ち越しました。

 日本維新の会の東徹さんが「定数6増歳費国庫返納法」を取り上げ、自民党会派に返納しているかと問いかけ、ちゃんと返納していると一斉の声。一方、立憲民主党会派では小西洋之さんが「法律案に反対した」とし、反対したら法律に従わなくていいとの姿勢を強調しました。同会派の会長は日教組出身ですから、対等な立場で議論をすれば必ず明るい未来が見えてくるという日教組方式での同調を期待したいところです。

【衆議院外務委員会 同日】

 「いわゆる思いやり予算の1年間暫定延長条約承認案」(204条約2号)が長時間審議され、採決。共産のみ反対、自公立など賛成多数で承認すべきだとの委員会審査報告をまとめました。


[画像]阿部俊子・外務委員長、2021年3月19日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 阿部俊子外務委員長は読み上げ原稿をタブレット、おそらくアイパッド・プロに入れて進行しました。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 開催が遅れていましたが、初めて大臣の所信的あいさつがありました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 きのう本会議で審議入りした「医療法など改正案」(204閣法17号)と「野党対案」(204衆法1号)が所信表明されて審議入りしました。ちなみに、「後期高齢者自己負担」は健康保険法改正案ですので、別の法案になります。

【衆議院法務委員会 同日】

 「相続土地国庫帰属2法案」(204閣法55号ないし56号)の参考人質疑があり、司法書士連合会長らが発言しました。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「踏切道改良促進法改正案」(204閣法13号)の対政府質疑1巡目。そのまま、質疑終局となり、討論なく採決。全会一致で可決すべきだと決まりました。次回は24日(水)9時。

【衆議院環境委員会 同日】

 まず、大臣の所信的あいさつに対する一般質疑。政府などの参考人は、環境省、東京電力社長、警察庁、厚生労働省、林野庁、資源エネルギー庁など幅広い分野から呼ばれました。一般質疑終局後に「自然公園法など改正案」(204閣法48号)が大臣から説明されました。やや新自由主義的な要素も入っているように思います。環境省は今国会は骨太な法案が相次いでいます。次回の開催は未定。

【衆議院内閣委員会 同日】

 訪米後解散説が出ていますが、「デジタル庁5法案」(204閣法26号乃至29号)の審議が続いています。きょうは5日目。自民党の牧島かれんさんは、タブレットを持って質問。

[画像]タブレットを持って質問する牧島かれんさん、きょう2021年3月19日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 ただ、私地元は渋沢栄一さんが王子製紙を創業した地で、現在も国立印刷局で日本銀行券がすべて印刷され、80代後半でも働ける紙工業が盛んなので、ペーパーレスには否定的です。川も汚れないし、輸出の古紙がだぶついています。

 ラインの中国流出で、総務省、内閣官房などは利用を中止しながらも、平井卓也大臣はプライベートで使い続けるとの話が出ました。ヤフーとラインの大統合「Zホールディングス」の発足のタイミングで、私にとっては何をいまさら、な話が出てきた印象です。日曜日の緊急事態宣言明けが発表されたきょうは、私もなりわいにかかわる、新しいメール・電話・飛び込み営業が相次ぎました。困窮している方もいるし、巣篭り需要で前年比16%伸びたはずの白物家電メーカーも春闘で色よい返事なし。野党が決め手を欠く中、様々なものが蔓延ってまん延しているお彼岸です。

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