ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

【立憲民主党】平野博文選挙対策委員長「衆院選小選挙区は近々情勢調査をし、名ばかりならば総支部長を差し替えることも検討」と語る 第49回衆院選

2021年03月17日 18時52分05秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]平野博文・立憲民主党選挙対策委員長、きょう2021年3月17日、衆議院第一議員会館内で、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の平野博文・選対委員長は記者会見で年内に必ずある衆院選の候補者の擁立と調整にめどがついたことを受けて「候補者を差し替えることはありうる」との考えを示しました。

 筆者(宮崎信行)の質問に答えました。

 平野選対委員長は「あと10名は擁立したい」「無所属も含めて衆議院の過半数の233名以上を擁立したい」とし、これまでの最大野党の歴史としては早いペースでの擁立作業に手ごたえを滲ませました。平野さんは「全国の情勢調査を、近々やりたい。個別に重点調査もありうる」としました。

 そのうえで、「候補者を擁立するというのは、本人のスキル、政治家に向いているということで擁立するわけです。しかし、その候補者が日常活動行為をしっかりやっているのか。あるいは(自民党など)他の候補者との情勢の分析等々でどのような情勢となっているか。本当にやっておられない、名ばかりの人ならば、差し替えるという政治判断が出てくる可能性は十分にある。ただ、差し替えありきではない。十分にやっていただくことが大事。やられていないということは情勢調査をするとある程度出てきますから、差し替えることもありうる、ということは申し上げておきたい」と語りました。

 立憲民主党は水曜日に幹部の記者会見を開いており(1)平野代表代行兼選対委員長(2)江田憲司代表代行(3)蓮舫代表代行(4)渡辺周幹事長代行ーーが4週に1回登場する形式になっています。党公式のYouTubeなどには上がらず、国会議員が共有するメールのシステムのようなものはないそうです。翌日の新聞紙面には一言程度は載っており、一定の成果は挙げているようです。

 2009年の第45回衆院選で、平野さんは当時の民主党で幹事長代理をつとめていましたが、選挙対策は小沢一郎代表がほぼ独占的に担っていました。1選挙区電話100本の3回の情勢調査で差し替えを明言。現職でも東京都下で末松義規さんの公認が遅れました。また、福岡県内では、山口出身の総支部長にかわり、当時の八女市長の野田国義さんがわざわざ市長を辞めて転じたことがありました。但し、さしかえはこの福岡県の1事例にとどまり、差し替えられた人はその後比例単独で繰り上げ当選しました。差し替えは一人でしたが、小沢さんが情勢を他の幹部に見せずに独占したり、小沢グループの新人に同じ交付金を数日だけ早く交付したりする人心掌握術に幹部からの不満がくすぶりました。


[写真]平野選対委員長と筆者。

 基本的には、私のように、選対委員長に聞くことで、全国に数名いる友人の新人候補予定者に、自分の存在感を示そうという意図だけの記事でした。良い子のみなさんは私のようなおじさんになっちゃだめですよ。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

35人学級は全会一致で委員会通過、相続土地の国庫返納法案と思いやり予算案が審議入り

2021年03月17日 18時12分15秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]筆者、きょねん撮影。

 「35人学級法案」は全会一致で委員会を通過。「相続土地国庫返納2法案」と「思いやり予算」が審議入りしました。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 「新・小学校1・2年生(以上)の35人学級を実現する、義務教育標準法改正案」(204閣法16号)が採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。本会議を経て参議院へ。今月中に成立し4月1日に施行される見通し。

 採決に先立つ審議は4日目で、対政府質疑は野党としては1巡目の4時間半コース。立憲民主党の菊田真紀子さんは「検討規定に、令和8年に施行状況を検討する、とある。そのときに、新・中学生にも35人学級が実現するということでいいか」「スピード感を持ってたたかってほしい」と大臣に促しました。次回は未定。

【衆議院外務委員会 同日】

 「在外公館名称・位置・給与法案」(204閣法32号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。これに先立つ2日目の質疑がありました。

 「いわゆる思いやり予算を暫定的に1年間延長する協定書の承認案」(204条約2号)が趣旨説明され、大臣は「コロナと米政権交代という事情でいつもより遅い時期の承認案提出となった」ことの理解を求めました。次回は19日(金)9時。

【衆議院法務委員会 同日】

 まず、一般質疑がありました。法務省刑事局というのは実は61名しかいない小さい所帯ですが、階猛さんの問いに、局長が検察審査会法についてまるっきり見当違いの答弁を繰り返しました。わざとではなく、検察官から急に61名の局長になるため、検審のことは扱ったことはないのだろうと思います。

 「相続土地投機義務付けの民法改正案」(204閣法55号)と「相続土地国庫返納法案」(204閣法56号)が趣旨説明され、審議入り。次回は19日(金)午前9時半から、司法書士連合会会長の今川さんら4名に参考人質疑。なお、当ニュースサイトでは、法律案のタイトルは政府与党の思惑がにじんだ長いタイトルになることをふまえて、筆者が事前に法案を精査して、任意のタイトルをつけています。審議を聞いて表記が変わることもあります。正式タイトルは「204閣法55号」と「204閣法56号」でグーグル検索すると分かると思います。フランス民法の所有権の絶対性や契約自由の原則からして、国庫に帰属させる契約の自由を持てる民法改正案であることです。但し、私は明治維新よりも天皇や徳川幕府が好きなの、土地はもともと日本の国のもの、という前提で「返納」という表現をとりあえずさせてもらいました。さほど強いこだわりがあるわけではありませんが。

●参議院本会議は定例日ですがありませんでした。

【参議院予算委員会 同日】

「令和3年度予算案」は13日目。そのうち一般質疑6日目がありました。自民党の北村経夫さんは同じ山口・田布施の岸防衛相に対して、米国務・国防長官が初外遊で日本を訪れたきのう「2プラス2」を絶賛。麻生太郎財務大臣に「超長期国債の発行が必要だ」と働きかけ、麻生さんは「持続的かつ安定的な国債の消化が、超低金利のときに、進むか各国が検討している」とし検討することは明言しました。北村さんは政権公約の「2050年カーボンゼロ」をめぐるがガソリンスタンド経営の現状について資源エネルギー庁に問い、選挙が近いことを感じさせました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 「間伐促進特措法改正案」(204閣法33号)が採決され、共産反対、自民・公明・立憲などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。共産党は修正案を提出し「特措法の延長には賛成。しかし、間伐の促進はカーボンゼロに反する」などとして反対しました。

 この後、「有明海及び八代海等を再生するための特措法改正案」(204衆法 号)が全会一致で本会議に提出すべきだと決まりました。10年延長と地方債発行の規定などを盛り込んだ内容。

 次回は未定。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「デジタル庁関連5法案」(204閣法26号乃至30号)の審議は3日目で、対政府質疑5時間コース。「庁」の組織、個人情報保護法の一本化、国と地方自治体の関係、内閣情報調査室の位置づけなどで議論が続きました。次回はあす午前9時半。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「踏切道改良促進法改正案」(204閣法13号)が審議入りしました。次回は19日(金)9時。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

 小此木防災担当大臣が所信的あいさつ。

【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】

 河野太郎沖北相と茂木外相の所信的あいさつ。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[NHK中継は無し]東北新社の外資規制について総務省が聞いていたかどうかがクライマックスにきょうも参議院予算委員会で議題に、午前10時から午後5時半までのロングラン

2021年03月17日 08時30分47秒 | マスコミ批評
[写真]NHK、おととし、宮崎信行撮影。

 きょうの国会は、東北新社の外資規制違反を総務省が知っていたかどうかが引き続き議題となります。きのうの衆議院予算委員会の一般質疑は、NHKニュースとしてテレビ・ラジオ中継されましたが、きょう午前10時からの参議院予算委員会はテレビ・ラジオ中継されないようです。質疑は午後5時半までのロングランになりそうです。

 きのうに続き、東北新社の中島社長や退職者も含む執行役員経験者や子会社社長、退職者も含む総務省情報流通行政局・総合通信基盤局キャリアに対して、立憲民主党の小西洋之さん、森ゆう子さんら論客が挑みます。

 NTTの沢田社長、接待を受けたとされる高市、野田両元総務相のほか、副大臣・政務官らの参考人招致も野党は求めています。

 きのうの衆・予算委はニュース枠での放送を見すえて、総務省のことだけを聞いて、コロナの質問はしない方針が野党の国対から降りていたようです。

 首相の長男の問題ではなくなり、逆に政権・与党の基盤にはさほど影響しない話となり、世の中の関心はさほど高まっていませんが、関係者・部局にとっては存亡の危機になりかねない疑獄に発展しつつあります。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【法案】「研究大学国立大学ファンド法案」を2022年通常国会に提出へ

2021年03月17日 08時17分56秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]手前から、首相官邸、内閣府、文部科学省、おととし、宮崎信行撮影。

 「国立大学ファンド法案」が来年令和4年2022年の通常国会に提出される方針が示されました。

 きのう(16日)、首相官邸で「第52回総合科学技術・イノベーション会議」が開かれ、菅首相は「本日は、大学ファンド運用に関する専門調査会の設置を決定しました。優秀な人材と豊富な資金が集まる世界トップクラスの研究大学を目指し、大学ファンドの具体的な制度設計を進めます。大学改革に向けた新たな法的枠組みを早急に検討し、次期通常国会への提出を目指します」と語りました。

 井上科技相は、会議に先立つ日経新聞のインタビューで、国立大学法人ごとに寄付金などを自前で投資運用できるファンドを造成し、運用できるようにする法改正案の構想を明示していました。 

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 
このニュースサイトは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki、宮崎機械株式会社。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする