ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

「総務省の霧」晴れぬまま令和3年度予算成立、日切れのうち「関税定率法」も審議入りし「35人学級」なども31日までに成立の公算

2021年03月26日 18時12分24秒 | 第204通常国会令和3年2021年
(初公開は18:13)

 令和3年度予算が成立。法文に誤りがあった関税定率法改正案も審議入りし、来週31日(水)に成立しそうです。

【参議院本会議 きょう令和3年2021年3月26日(金)】

 「令和3年度予算」が採決され、投票総数241、賛成145、反対96の賛成多数で可決し、成立しました。

 記名投票は、立憲の横沢高徳さんと、れいわの舩後靖彦さんがスロープを使って投票しひな壇の菅義偉首相の手前を通っていきました=画像は参議院インターネット審議中継からスクリーンショット=。与野党から拍手がわきました。木村英子さんはコロナで休んでいるようです。

 この本会議ではこの後、「改正所得税法」(204閣法7号)に加えて、「改正特例公債法」(204閣法4号)も採決。特例公債の発行が向こう5年間法律なしに可能になります。成立により、「プライマリーバランス」という言葉が日本の法令から落とされました。

 「間伐等特措法の10年延長などの改正法」(204閣法33号)の農林水産委員長報告。採決され起立多数で可決しました。成立。この後、天皇が公布して官報に告示され、4月1日(木)に施行します。

 「改正地方税法」(204閣法9号)と「改正地方交付税法」(204閣法10号)と「過疎法10年延長法」(204衆法5号)が議題になりました。討論では維新が反対討論し、まず総務省の接待問題を批判しました。

 「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法を10年延長する法律」(204閣法8号)。

 「JR北海道・四国・貨物の二島貨物会社を支援する改正国鉄清算事業団債務処理法」(204閣法12号)。

 「改正在外公館名称・位置・給与法」(204閣法33号)。

【参議院財政金融委員会 同日】

 「所得税法改正案」(204閣法7号)と「特例公債法改正案」(204閣法4号)の首相入り質疑があり、採決し、可決、本会議上程。

 最後に、法文の誤りがある「関税定率法改正案」(204閣法11号)が麻生財務大臣から趣旨説明され、審議入りしました。来週の火曜日(3/30)に審議され、来週水曜日(3/31)の本会議に上程され、成立するはこびとなりそうです。例年の法案ですが、今年の法案も「回転木馬」「昆虫類」の関税率の改正条項が入っており、回転木馬や昆虫類が4月1日に輸入されるのかどうか詳細は知りませんが、法律を通した後から議論しても、まあいい内容ではないでしょうか。

【参議院総務委員会 同日】

 今年は重要広範議案ではなく、固定資産税評価替えでアップした者の税額を1年だけ据え置く「地方税法改正案」(209閣法9号)と「地方交付税法改正案」(204閣法10号)を可決すべきだとして本会議上程。衆議院から「過疎法を10年延長する法案」(204衆法5号)の説明を受けて、採決し、可決。

【参議院国土交通委員会 同日】

 「JR北海道・四国・貨物など二島貨物会社の支援の国鉄清算事業団債務処理法改正案」(204閣法12号)を全会一致で可決すべきだと決めました。

 この後、「踏切道改良促進法改正案」(204閣法13号)の趣旨説明がありました。来週火曜日に審議し、水曜日に成立するはこびと思われます。

【参議院農林水産委員会 同日】

 内閣提出の「間伐特措法を10年延長するなどの改正法案」(204閣法33号)を採決し、全会一致で可決すべきだと決まりました。大串博志・衆議院議院議員が提出した「有明海」の審議は来週に持ち越されました。

【参議院外交防衛委員会 同日】

 「在外公館名称・位置・給与法改正案」(204閣法32号)は法文にミスが見つかり、審議が遅れましたが、採決され、可決すべきだと決まりました。

●参議院文教科学委員会は開かれず、「35人学級法案」の成立は31日にずれ込みそうです。

●参議院法務委員会は開かれず「裁判所職員定員法改正案」の成立は31日になりそうです。

【参議院予算委員会 同日】

 「令和3年度予算案」の審議は20日目(集中審議4回含む)。締めくくり質疑となりました。野党は、衆の基本的質疑1日目からの「総務省・情報流通行政局」の問題を引きずり続けました。後半国会に持ち越すことになります。メディアの国会報道の姿勢も見透かされる時代を迎えます。

 採決の結果、立憲・共産・維新・国民が反対し、自民党と公明党のみが賛成して可決すべきだと決まりました。

【衆議院】

 きょうの審議は無く、緊急事態宣言が明けたことから2か月ぶりに地元に戻りました。

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