[写真]「強姦致死罪と強盗致死罪の比較衡量がおかしい」との問題提起で性犯罪刑法改正のプログラムを開いた、松島みどり自民党衆議院議員、4年前撮影。
重要な法案ですが、提出が遅れたせいか、あまり知られていないようです。
【衆議院法務委員会 きょう令和5年2023年5月17日(水)】
「性犯罪刑法改正案」(211閣法58号)と「リベンジポルノ消去法案」(211閣法59号)の対政府質疑がありました。
きのうのSHLLYさんの参考人質疑と、立憲ヒアのジャニーズ問題をさっそく、複数の委員会が取り上げました。松下裕子法務省刑事局長は「性交同意年齢を13歳未満から16歳未満に引き上げる」と改正案を説明。前回改正法の附則が抜本見直しを定めたことで、強姦罪から改称したばかりの強制性交等罪が不同意性交罪に変わります。そのため罪名についての議論もあり「新・不同意猥褻罪についてだが、猥褻罪については同意ということはないのではないか」との指摘も出ました。
前回改正法見直し規定に基づく今次改正案の提出が遅れた最大の理由は「グルーミング」という概念が法制審部会に示されたからです。偶然に児童虐待法に関するジャニーズ問題と軌を一にしており、後者は超党派議論が始まそうです。
委員会における審議では、トー横で、ホストが女性客に売春を強要して60年ぶりに売春防止法で逮捕された件も問われました。刑事局長は、その言葉は使いませんが、グルーミングという準備行為には当たらないという趣旨の答弁をしました。刑事局長は「売春行為を唆した者が(刑法の)不同意性交等罪で処罰されるかということにつきましては単に売春行為を唆したということだけでではなく、共犯が成立したときに適応されるかもしれない」としました。
維新の比例九州1期生で医師の阿部弘樹さんは、フロイト心理学で最も有名とされる人間の生育段階で「肛門期」に獲得したコンプレックスによる性的倒錯「小児性愛・ペドフィリア」について質問。矯正局長は「認知の歪みがある受刑者にグループワークをしている」とし、保護局長も「観察者に対する性犯罪防止プログラムで、小児に対応する性加害者は個別に対応している」と答弁しました。今次改正を前に、法務省大臣官房審議官が教授らを招いて性犯罪者の「治療」「教育」に関する省内講演会を招いていましたが、この件に関して当時の官房審議官は当ニュースサイトの電話取材を3回以上拒否。取材拒否の回数・日時はノートを見返せば証拠は分かりますが、転勤のない筆者として知りたかったのは、法案に入るか運用の問題なのかという一点だったのです。きょうの答弁で、法案でなく運用の問題であることがやっと分かりました。
審議は次回以降も続きます。
【参議院本会議】 「改正著作権法」(211閣法51号)と「改正医療ビッグデータ法」(211閣法38号)が
成立しました。 これに先立ち
「日本語教育機関認定法案」(211閣法22号)が大臣登壇で質疑されました。
●衆議院財務金融委員会は水曜日が定例日ですが、鈴木俊一財務大臣不信任決議案の採決があすの本会議なので、きょうは設定されませんでした。
【厚生労働委員会】 「国立健康危機管理研究機法法案」(211閣法49号)と「関係法律整備法案」(211閣法50号)は賛成多数で可決すべきだと決まりました。
【農林水産委員会】 「遊漁船業の適正化に関する法律案」(211閣法53号)の質疑に農林水産省と国土交通省が答弁。全会一致で可決すべきだと決まり、あすの本会議に上程されます。
【経済産業委員会】 「不正競争防止法改正案」(211閣法54号)を全会一致で可決すべきだと決まりました。
【参議院地方創生・デジタル特別委員会】 「マイナンバー法改正案」(211閣法46号)の参考人質疑。次回も質疑が続くことになりました。特別委員長は、10年以上前に議院運営委員長をやった経験がある鶴保庸介さん。当時の参議院自民党幹事長は脇雅史さんでした。
【憲法審査会】 5回目の開催。参議院の緊急集会や合区について。与党は衆参とも9条ではなく緊急事態条項に話の流れを持っていこうとしつつあります。
【外交・安全保障に関する調査会】 改選1年弱ですが早くも中間報告案に関する意見が各会派から示されました。他の2つの調査会はきょうは開かれませんでした。
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