ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

立憲民主党神奈川県連は前回大躍進からさらに伸ばす、但し県議会会派は3分裂

2023年05月03日 06時38分26秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]神奈川県議会、横浜市中区、4年前の2019年5月、宮崎信行撮影。

 筆者が継続的にウォッチしている立憲民主党神奈川県連は、第20回統一地方選で、前回の大躍進からさらに議員を増やしました。

 報道やSNSを、筆者が自治体ホームページなどで確かめ算をしたところ、
 神奈川県議会は23議員から29議員(公認漏れ無所属3名含む)。
 横浜市議会は16議員から16議員(公認漏れ無所属1名含む)。
 川崎市議会は8議員から12議員。
 相模原市議会は6議員から8議員。

 他県より統一率が高い傾向がある一般市・町では、12議員から16議員に増えました。

 その一方、筆者・宮崎信行が日本経済新聞横浜支局で「横須賀市の関東自動車工業の工場が閉鎖」という大スクープを飛ばした横須賀市では、県議も市議もゼロとなりました。前回定数減の中、国民民主党現職が落選し、今回はさらに定数減で、牧島かれん衆議院議員(小田原市)の実父で小泉純一郎事務所出身の牧島功さんの後継新人がトップ当選しましたが、自動車総連はひとりも擁立できなくなったようです。

 神奈川県は3政令市あるだけで特殊。横浜市西区選出の県議と、横浜市西区選出の横浜市議では、年収は2200万円程度(政務活動費含む)で拮抗しますが、すべてトータルの収入は横浜市議の方がわずかに高く、海外視察も含めると市議の待遇が上回ります。

 ところが、小田原市では県議2名に対して、小田原市議27名の年収は半額未満と別構造。立憲の小田原市議は1名から3名に増えたようです。

 藤沢市の人口は43万人。参院選4人区では無党派から票が取れる候補でも藤沢市に後援会お世話人がゼロでは絶対当選できません。有名人が大都市神奈川4人区で浮動票で当選するなど幻想で、そう言う人間は信用してはいけません。その藤沢市議は3議員から3議員へと現状維持だったようです。

 このほか、箱根町は県営水道で、真鶴町の水道はすべて隣の湯河原町の推薦で、横浜市水道局の水源は山梨県にあるなど、神奈川県は最も多様性がある県で、県外者が指図できない特殊性があります。

 与野党とも県議会の顔ぶれを見ると、大変老けていて年収が多くても苦労が多いようです。

 そういった中、神奈川県議会は、参院選やパワーハラスメントの経緯から3会派に分裂したようです。しかしトータルでの議員数はさらに増やしたことから、次期国政選挙では、自民党と接戦になることが予想され、自民党に大物が多い神奈川県が報道の主流となるかもしれません。

 4年前は、前半戦では統一外の茨城1区の福島代議士の「一部の地域では風が吹いたようですが」のコメントにブチ切れ、その後、福島代議士よりもっと偉い某議員の「風は吹いていないよね」にさらにブチ切れた私ですが、阿部知子さん時代の候補者の作り方を聞いていれば、さらに躍進したことは、後から数字を見れば十分にうなづけるところ。自分で友人世帯の生活のために立憲民主党のビラを撒く唯一の政治ジャーナリストの私の見る目が正確だったことが確認されました。

 以上です。
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特別区議選で大きな変化、女性が58議員激増、男女計では自公39議席減、立国20議席増

2023年05月03日 04時29分43秒 | 地方
[写真]北区議選の公営掲示板のポスター、左上が7日間の選挙戦中に第2子を出産してトップ当選した日本維新の会女性議員、右下は11位で6選した花見隆(花見たかし)さん=2023年4月23日(日)投開票、宮崎信行撮影。

 1996年総選挙以降一貫して自民党の地盤の東京特別区の、第20回統一地方選後半戦で、大きな変化がありました。総務省の暫定発表で、女性議員が301議員となり、前回の確定発表と比べて58議員増えました。

 男女計で、自民党は23議員減、公明党が落選者8人で6議員減と底が半分抜けた状態に。立憲民主党は10議員増、国民民主党は10議員増と好調だったことが分かりました。日本維新の会は11議員から47議員へと4倍強。

 前回大量初当選した政治団体「NHK党」は立花孝志さんに議員報酬数か月分を融資する格好で3か月後の参院選の資金をつくり政党「NHK党」となりましたが、政党「政治家女子48党」は0議席と惨敗しました。れいわ新選組の14議員、参政党の13議員と大きく地盤に差がつきました。

 このうち、女性では、北区議選(定数40に55人が立候補)で、都議補選・都議選に出馬したことがある、日本維新の会の佐藤ことさん35歳が、7日間に第2子を出産して、1万票近いトップ当選で当選1回生になりました。佐藤さんの経歴は、静岡県立浜松北高校を卒業しアイルランドの大学を卒業。日本で5年間に広告代理店2社につとめて、障害者雇用支援事業会社に現在まで勤めて広報室長。後者は正社員とみられます。

 1996年以降、東京都内は衆院選では自民党が圧倒。立憲民主党は菅直人元首相ですら小選挙区落選比例復活をする厳しい地となっています。2021年7月4日の都議選でも接戦区をことごとく落としました。

[写真]都議選で接戦区をことごとく落とし渋い顔の、立憲民主党東京都連の手塚仁雄幹事長、長妻昭代表、おととし2021年7月4日深夜、同党本部で、宮崎信行撮影。

 なお、長妻総支部、手塚総支部は都議選全勝。が、この2人は連合推薦をもらえない不条理の中、衆院選でも小選挙区当選を果たしました。

 今回、立憲民主党が「りっけんブルー旋風」の4年後でもさらに議席を増やしたことから、2020年区割りにもとづく東京1区から30区までの衆院選では野党が乱立しても接戦に持ち込める選挙区も出てきそうです。

 政治家女子48党は0議席という皮肉な結果になりました。4年前、NHK党の議員総会が開かれた都庁近くのビルまで取材にいったところ、初当選した女性荒川区議に対して、裏方が「さきほどは、ほかの男性議員が羽目を外してセクハラをしてもうしわけありませんでした」「いえいえ、私ああいうノリ好きですから」と会話していましたが、今回はその女性荒川区議は他の政治団体で再選したようです。

 4年前は3月に行われた台東区議選が今回の統一地方選特例法で期日が一致し、都内における統一率は高まりました。

 写真にある花見隆(花見たかし)さんは2年前に参議院議員になった羽田次郎さん、選対本部長をつとめた全国比例(北・足立・墨田・千葉房総半島に拠点)の青木愛参議院議員、長妻昭政調会長らが現地入りして、40人中11位で当選。壮年男性議員も気をはきました。今回は成人した娘も参戦。告示前に、立憲民主党東京都連に、「花見は保守系だから、日常活動で現金を配っている」というデマカセの妨害電話が、おそらく党外の人物からかかりましたが、ていねいに連続6選しました。同党では、旧社会党系世襲女性現職、前回初当選の女性現職、女性新人とあわせて4名が当選。旧社会党出身のうち男性のベテラン1名が落選しました。


[写真]北区議選の公営掲示板のポスター、左上が7日間の選挙戦中に第2子を出産してトップ当選した日本維新の会女性議員、右下は11位で6選した花見隆(花見たかし)さん=2023年4月23日(日)投開票、宮崎信行撮影。

 以上です。
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