宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

芳野友子連合会長は共産党も含めた野党候補者調整に理解を示す方針転換「地域によって政策合意をしているところがあるので地域ごとにやってほしい」

2024年11月27日 21時03分56秒 | 第27回参院選(2025年7月)
 連合の芳野友子会長=きょう撮影=は、野党調整について「地域によっては、政策合意しているところがあるので、地域ごとにやってほしい」と語りました。第27回参院選に向けて、1人区の32県連などでの立憲民主党と共産党も含めた話し合いが水面下で加速することになりそうです。

 年数回、議員会館内で開かれてる「連合と国民民主党のトップ懇談」が開催されました。会合後のブリーフィングで、芳野会長は玉木代表の不倫について辞任は求めないことを示しました。連合は「参院選を視野にした3者協議会」の設置を要望。これは、連合・立憲・国民3者が参院選での候補者調整の再開に向けて基本の方針をすりあわせたい協議体だと説明しました。仮に実現しても、自公が近く閣議決定する3年に1度の「エネルギー基本計画」への対応で距離感があると考えられます。

 静岡2人区で改選を迎える榛葉幹事長について、静岡県教職員組合が推薦しない方針となったのは、103万円の壁撤廃に関した県の税収減があるのではないかとの記者団の問いに、芳野さんは「連合静岡は、前段階でボタンの掛け違いがあったと聞いている」と答えました。

 玉木さんは「衆院選で勝ったとはいえ、32ある1人区では極めて限定的だ」とし、具体的に公認している長崎選挙区のみしか1人区の県名をあげませんでした。また、立憲との2党協議で、小川幹事長の小沢一郎総合選対本部長代行のどちらが窓口か現段階ではわからないとも明かしました。なお、立憲はあすの臨時国会召集日に、れいわ、有志、参政、保守も含めた8党派の野党国対委員長を設定し、すべて出席する見通し。

 前回の参院選は、泉健太代表が「京都府2人区の常識は32ある1人区の非常識」なのに、反共的な発言をしてしまい、県によっては立憲と共産の幹部は会話すらしてはいけないとの認識が広がってしまいました。

 一方、2015年夏以降に、民進党や立憲民主党の幹部だった岡田・枝野・福山・泉・西村各氏らが「野党共闘」という単語をそもそも発していないことも知る人ぞ知る事実となってきたようです。


[写真]芳野友子・連合会長の母校・都立青山高校を訪れた筆者、おととし2022年11月。

 芳野友子さんや、林文子・前横浜市長らは、都立青山高校から大学に進学せずに大手メーカーに就職しました。この青山高校は、国立競技場・神宮球場・競技団体の本部のほぼ隣です。都心過ぎて駅からちょっと歩くほどの都心です。反共思想を持ってしまう方が普通だと思われます。が、地域ごとにやり方は違います。東北6県、沖縄の多様性を知ると、日本が均質な国土で工業生産をしている国だったことは、明治維新前後も含めてただの一度もなかったことがわかります。地域の多様性を尊重して吸い上げる仕組みが国政選挙と国会だという認識を持ちたいものです。


[写真]市民と野党の調整候補がうまくいっている県の選挙戦中一度の軽井沢地区での街頭演説会に早めにかけつけた共産党軽井沢地区党員夫妻、通例、候補者と同じ党に属する支持者が候補者に向けたプラカードを作成して持参することはない、3年前の2021年4月、長野・軽井沢で、宮崎信行撮影。



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野田立憲の「熟議と公開」に身内の野党からさっそく修正の依頼が出つつ、あす新思考の臨時国会召集へ

2024年11月27日 20時18分05秒 | 第216回臨時国会
[写真]意識高い系で知られる中央線・京王線沿線で合同街宣(フェミブリッジの団体主催)をした立憲の東京6区・落合貴之、同8区・吉田はるみ両議員は各々、自民女性新人らをおさえて得票率を増して4選、2選したが、間接民主政治で、有権者全員が意識あるいは月収が高いわけではない、解散後の先月2024年10月12日、「明大前駅」で宮崎信行撮影。

 投票日から1ヶ月。ご説明に回った官僚団の団長は衆議院議員会館内で「すぐに引っ越しするからすごいよね」と永田町を仰ぎ見つつも霞が関とは別の世界だという風情でした。私はきょうは午前中「連合・国民民主党」「政治改革の野党の実務者協議」の2つの協議体を取材しましたが、それほど意識していなかったのですが、映像ニュースでかなり取り上げられたようです。

 あすの召集を前に、石破自民党は「斂葬の儀がある」から役員会・役員連絡会を開催しておらず、おそらく史上初かもしれません。このあたりも陣構えの乱れにつながるかもしれません。官僚の人は、年越しの帰省の家族4人の航空券チケットの予約に躊躇する慌ただしい年末となりそうです。

【参議院議院運営委員会理事会 きょう令和6年2024年11月27日(水)】
 牧野たかお委員長らは、「調査研究広報滞在費」の改革に関する院内のプロジェクトチームの設置を決めました。
 ただ、衆議院議員会館内でよくよく聞くと、領収書添付は手間がかかるし、郵便切手を買い込んで残金返納を逃れるのはどこでもやるだろう。私設秘書人件費に充てるのならば、所得税・雇用保険料を納めているかを確認することの方が公益になるとの声が聞かれました。有権者の声が反映されないまま、枝葉に関心をそらせて、不要な法改正につながる気配もあります。

【衆・議運理事会】
 あす午後1時から本会議で、所信表明はあさって午後3時からの変則日程となります。れいわ新選組が、衆でも登壇会派となりました。

【野党における政治改革の実務者会合】
 立憲の大串さん、落合さん、維新の藤田幹事長ら2名、共産の塩川国対委員長ら2名、有志の会の福島さんが参加しました。国民の古川さんと令和の高井さんが欠席した理由を、連絡した落合さんは「行くときは、誘ってもらえればいきますよ」というような雰囲気で、きのうの常任委員長室での協議会(渡海座長)の翌日なので必要ないということのようです。野田代表肝いりの「熟議と公開」のきのうの協議会について出席者から「細かいところは公開でなくていいのではないか」との意見が出ました。大串さんは、あす設置される政治改革特別委員会(渡辺周委員長の再任が内定)と政治倫理審査会という公開の場と強調してなるべく野党共同法案を出したい意欲をにじませました。

 一方、私は落合さんにまったく恨みはないのですが、ことしの同党の政治改革実行本部の第2回の役員会後のブリーフィングで「個人献金だけで政治活動ができる、私が生まれ育ち選挙区とする世田谷はすばらしい」と強調していたはずなのに、それが全国案となった経緯が腹落ちしていないのですが、大串さんから企業団体献金の廃止や上限にばかり指摘がいくのは、与党が政策活動費の即時全廃から関心をそらしたいから、記者のみなさんを気をつけてほしいとのこと。今後は「全廃法案」を出したら、本当に成立してしまうかもしれないので、衆参全議員が想像力をきかせて発言してほしいところです。

 当面は、参議院での政治倫理審査会も注目されます。「事務所で現金で保管している」と強弁した松野さん、萩生田さんは小選挙区で再選し、二階会長が出てこない理由を浪花節で語った武田さんはともに衆院を去りました。衆院選の手伝いを県連から完全に拒まれた裏金改選参院議員もいますので、当日の審議を見なければ各議員の状況はわからない緊張感ある展開が続きそうです。

【官邸・国と地方の協議の場 同日】
 兵庫県知事選をめぐるSNSの活用と公選法違反の疑いに関心が行っていますが、所得税及び住民税の基礎・給与所得控除の引き上げと自治体税収の減少に関して官邸の調整力がためされています。官邸や自民党税調は、今週も「自公国税調会長協議」を開催して、国民民主党の取り込みを強化する政権維持戦略を、さらに強化していく気配となっています。

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