宮崎信行の夕刊フジ

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

第204回通常国会に「地方財政法改正案」を提出へ、地方消費税の下ブレも減収補填債を発行でき、一般市町村は国が全額買い取り、オールジャパンでコロナ過撃退

2020年12月15日 17時18分04秒 | 第204通常国会令和3年2021年
[写真]総務省、3年前の2017年5月、宮崎信行撮影。

 政府が「地方財政法改正案」(204閣法 号)を国会に提出するはこびとなりました。

 日本中のすべての地方自治体が、コロナ禍の令和3年度予算案の休業協力金や雇用対策各種事業にふんだんな予算を計上できそうです。

 武田総務相はきょうの閣議後記者会見で、「地方団体が今後も新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組むことができるよう、総務省としては、景気変動を超える減収が生じている地方消費税や軽油引取税などの消費や流通に関わる7税目について、減収補填債の対象税目に加えることといたしました」と明言しました。

 地方財政法では、企業の利益に課税する県税及び市町村税である、法人事業税と法人市民税のいわゆる「地方法人二税」は、景気変動の波が大きく、2000年の大阪府、東京都、神奈川県の「財政非常事態宣言」につながったことから、年度の減収分を補填する「減収補填債」を発行できることになっています。これまで年度のぶれが少ない傾向から除外されてきた、地方消費税(物・サービスの価格の2・2%、食品・新聞の軽減税率対象では1・76%)と軽油引取税の減収分もおそらく全額、補填債を発行して、令和3年度予算案を前年並みかそれ以上にすることができそうです。

 地方財政の将来の懸念など起こりようもなく、ましてや一般市町村について、武田総務相はきょうの記者会見で「一般市町村の減収補填債について、最も金利が低い公的資金で全額を引受けることといたしております」と明言。この公的資金は、国債のかたちで日本銀行券と交換すれば、現在も未来も誰も損をしないことになります。そんなマジックのような話は信用できないと思うでしょうが、本当です。国も地方も、令和3年度予算案の総額確保をためらうべきではありません。三重県の自治体ではフォークリフト講習会に参加すると日当がもらえるという単独事業をしたようですが、中堅・若手自治体マンはそういう政策を今月中に書いて、市長と財政課長は査定で全額認めるべきです。

 政府は、来月2021年1月18日(月)召集の第204回通常国会に「地方財政法改正案」(204閣法 号)を提出することになります。

 衆参の総務委員会では、「令和3年度地方財政計画」、「固定資産税据え置きなどの地方税法改正案」(204閣法 号)、「令和3年度地方交付税法改正案」(204閣法 号)の3本とともに、審査。3月31日よりも前に、審議を終えて、成立することが確実と思われます。

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インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki

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