[写真]宮崎信行、きょねん2017年、宮崎信行撮影(再使用)
霞が関・永田町の常識が次々と崩れており、私は楽しくてたまりません。あまりに不祥事があるので、9月の自民党総裁選より手前に解散があるのではないか、との観測が、今週頭から急激に広がっています。また、1月上旬に、森山裕・自民党国会対策委員長が、「一般質疑を減らそう」との情報発信をしましたが、各委員会とも所管省庁の一般質疑(法案審査ではない国政調査)をやらないわけにはいかないだろうという情勢で、国会は開いているけど、法案審査が遅れています。
【衆議院本会議 平成30年2018年4月17日(火)】
「改正古物営業法」(196閣法42号参先議)が、全会一致で可決し、成立しました。警察庁がその権限をやや手放す法律。これまでは、古物商免許を持っている法人が移転した場合、その先の県警の公安委員会に届ける必要がありました。これはまさに私が昨年10月に参加した、所轄署の説明会で、おまわりが「東京で廃業した法人が古物商免許を返納しなかったので、捜査して徹底的に追跡して、北海道で返納させる行政処分をしました」と参加者をしめつけ。ところが、残り時間5分のときにそれをやったので、参加者が次々立ち上がり帰りだしたので、おまわりが「ここに居る(年会費を協力団体に払っている)みなさんは、そんなことありませんから、(警察の)味方だと思っていますから!」と絶叫する始末になりました。その、県を越えて支店を出した場合に、手数料を警察に納める必要があったのが、要らなくなる法改正。今国会で、省庁がその権限の一部を手放す規制緩和法律ははじめてかも。国対のうまい警察庁だけあって、政府は63本の法案を出していますが、15番目という早い成立となりました。どんな組織でも窓際ポストは必要ですが、警察庁は、上がしっかりしてるな、信頼できるな、という印象をより強くしました。
本会議ではまず、「電気通信事業法改正案」(196閣法33号)を採決。賛成多数で、委員長報告通り可決として、参議院に送りました。
「著作権法の一部を改正する法律案」(196閣法28号)も、賛成多数で可決し、参に送付しました。
そして、上述の「改正古物営業法」(196閣法42号参先議)が全会一致で可決し、成立しました。
「日本リトアニア租税協定の条約承認案」(196条約5号)「日本エストニア租税協定の承認案」(196条約6号)「日本ロシア租税協定の承認案」(196条約7号)「日本アルメニア投資協定の承認案」(196条約10号)が賛成多数で承認。今後、参でも審議します。
「生産性向上特別措置法案」(196閣法21号)「産業競争力強化法改正案」(196閣法22号)は賛成多数で可決し、参に送られました。
この後、「TPP11承認案」(196条約11号)が審議入りしました。
【参議院文教科学委員会 平成30年2018年4月17日(火)】
今国会初めて、参議院議員立法「参法」が審議されました。
「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律案」(196参法7号)。法案の筆頭発議者は、自民党で大野伴睦の孫である1期生・大野泰正さん。委員会では、公明党の山本博司さんが趣旨説明しました。
「国際文化交流の祭典の実施の推進に関する法律案」(196参法8号)。法案の筆頭発議者は自民党の文教族・上野通子さんですが、趣旨説明は、松沢成文さんで「財政上の所要の措置を講じる」ことを政府に求める法案だ、としました。
質疑は共産党の吉良佳子さんがして、同僚から「障害者の作品等の等は、実演も含まれる」との答弁を得ました。
採決では、196参法7号は全会一致、196参法8号は共反対、自公民などの賛成多数、で、ともに可決すべし、と決まりました。
【参議院内閣委員会 同日】
「REVIC地域経済活性化支援機構法5年延長法案」(196閣法17号)。答弁担当は茂木敏充経済再生相。この中で、共産党の田村智子委員長が官民ファンド(産業再生機構?)が会社(日航?)の労働組合員をしめつける不当労働行為があったのではないか、というような驚くべき指摘をしていました。そのせいでしょうが、質疑の終局が宣言されながら、採決はせず。午後は一般質疑となりました。仮に政府系ファンドが労働運動を理由に投融資を断って締め付けたら、大問題です。どういうことでしょうか。
【参議院総務委員会 同日】
まず、「合併特例債5年延長法案」(196衆法11号)が衆・総務委員長から趣旨説明されました。質疑があり、全会一致で可決すべし、と決まりました。そのあと、一般質疑。
【参議院法務委員会 同日】
「人事訴訟法改正案」(196閣法11号)。全会一致で可決すべしと決まりました。昨秋の衆議院解散でいったん廃案となっていましたが、あすにも成立のはこび。
【参議院国土交通委員会 同日】
自治体の「スポンジ化」に対処する、「都市再生特別措置法改正案」(196閣法24号)。個人的に「スポンジ化への対処」という表現にはまってしまいました。共反対、自公民などの賛成多数で可決すべし、と決まりました。あすにも成立のはこび。国交省の職員は「5年以上公明党の大臣で本当に良かった」と思っているんでしょうね。
【参議院外交防衛委員会 同日】
まず、一般質疑。
民進党の小西洋之さんが、昨夜、議員会館前で、統合幕僚会議勤務の30歳代の幹部自衛官に「国民の敵だ」と繰り返し罵倒されたことが明らかになりました。小野寺五典大臣が迅速に対応しました。
質疑の後、「マラケシュ条約の承認案」(196条約1号)と「香港条約の承認案」(196条約2号)が趣旨説明されました。
【参議院厚生労働委員会】
一般質疑として、前東京労働局長を参考人招致。
【参議院農林水産委員会】
一般質疑として、獣医師の問題について。
●参議院財政金融委員会はありません。
●参議院経済産業委員会もありません。
●参議院環境委員会もありません。
【衆議院農林水産委員会 同日】
「森林経営管理法案」(196閣法38号)と「独立行政法人農林漁業信用基金法改正案」(196閣法39号)。
賛成多数で可決しました。森林環境税(仮称)を特定財源化する法案。森林労連・全林野は立憲民主党にとっても有力な支持団体。それもあってか、附帯決議は十数本の長文となりました。
質疑で、自民党の小島敏文さんは「森林環境税は昭和50年代からの自民党税制の悲願。森林環境税は平成32年度は200億円だが、平成45年度には年600億円の税収になる。特別会計(特定財源化)もうれしい」としました。立憲民主党の大河原雅子さんは「戦後のはげ山を若い人は知らない。国民運動的な植林運動があった」と語りました。
【衆議院環境委員会 同日】
一般質疑として、委員会が福島県に除染作業の視察にでかけたことについて、報告を松島みどり委員長(自民党)自らしました。ベトナム人の外国人技能実習生に原子力災害放射能汚染の除染をさせていたとして問題になっています。
最後に、「気候変動適応法案」(196閣法27号)の趣旨説明がありました。
【衆議院国土交通委員会 同日】
「高齢者障害者交通バリアフリー法改正案」(196閣法25号)。採決はせず、散会しました。
【衆議院議院運営委員会 同日】
本会議の段取り。
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(C)2018年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki