昨年末に我が家に届いた、吉田拓郎の新作「歩道橋の上で」。聴き込む度に、それはまるでスルメのように、味わい深く、私の胸に染み入る。
’80年代後半から’90年代初頭にかけての拓郎のサウンドは、コンピューターでの打ち込みに傾倒してる時期があり、私はやや違和感を感じていたのだが、このアルバムのサウンドは、かつての「トラベリング・ウィルベリーズ」のような音作りで、私のハートに心地よく響く。やはり、アレンジャーの石川鷹彦氏のセンスが、とてもイイのだ。いやあ、このメンバーでのライヴツアーを、ぜひ生で観たかった!それは、きっと豊潤なひとときであったことであろう。
最近思うのは、自分が歳を取っていることとともに、周りの尊敬すべき方々が、確実に歳を取っているということなのだ。最近の出来事でいえば、元大洋ホエールズの加藤博一氏が亡くなったことは、私にとって大いなるショックであった。
30代を過ぎると、10年なんてのはアッという間だ。あと10年後には、拓郎も70歳を越えてしまう。あと、何回拓郎と会えるのだろう。そして、次に拓郎に会えるのは、いつなのだろう。私は、非常にヤキモキしていると同時に、早く雄々しく唄う拓郎を、生で観たいと願っている。