とあるCDショップに立ち寄ったところ、なんと嬉しいことに、吉田拓郎のほぼ全てのCDアルバムが陳列されて、大々的にディスプレイされているではないか!
目に留まったのは、「幻の最高傑作!」というこの大きなパネル。私は「おおっ!ついにあの名盤『今はまだ人生を語らず』が再発されたのか!」と色めきたった。
だがしかし、そうではなかった・・・パネルをよく読むと、「収録曲の歌詞(三文字)に差別用語があったため、本人自らアルバムとしての発売を自粛してしまい、現在CD化はされていない」とある。ああ、ガッカリ・・・
私はこのアルバムはLPでは持っているが、CDでは入手していなかった。このアルバムはかつて1986年と1990年にCD化されているのだが、まさか発売中止の憂き目に遭うとは思っていなかったので、購入していなかったのである。
「人生を語らず」「知識」という、私の大好きなナンバーに加え、森進一氏の歌唱でレコード大賞を受賞した「襟裳岬」、当時の新人歌手桜井久美さんに提供した「おはよう」、南沙織さんに捧げたという「シンシア」・・・
そして、このアルバムが現在発売されていない原因が「ペニーレインでバーボン」という楽曲である。その曲中の「×××桟敷」という表現が問題となっているのだ。70年代前半に発表され、90年代半ばまでの約20年間は普通に販売されていたこのアルバムが今入手出来ないというのは、やっぱ、何かおかしいと思う。「オバケのQ太郎」が現在入手できないのも、納得がいかない。行き過ぎた自主規制と思わざるを得ない。
ちなみに拓郎は、2006年のつま恋では、その部分を「蚊帳の外で」と変えて唄っていましたネ・・・「ペニーレインでバーボン」という名曲に、力をもらって立ち上がった人間は、きっと、私だけではないハズだ。