仕事で外勤したので、その日のランチは外食だった。
当初はラーメンを喰うつもりだったのだが、「洋麺屋 五右衛門」の看板が目に留まり、思わず入店してしまった。
五右衛門のスパゲッティ―を喰うのは、約20年ぶり。妻と恋人同士だった約20年前に、パセオ内にある同店に行って以来のことである。
オーダーは「Aランチ」(税込800円)。スパゲッティは、5種から選べる。
ホントは「10品目のマルチビタミンペペロンチーノ」にしたかった。だが、その後まだ営業回りがあるため、ニンニク臭くなるのはよろしくない。
なので、セカンドベストの「トマトとモッツアレラチーズのバジル風味」を選択した。
まずは、スープが先に供される。
その約10分後、主役のスパゲッティとご対面!
箸でいただくスパ。フォークよりも喰いやすいのは、私が日本人だからであろう。
だが、箸で喰うと、ついついラーメンを啜るように音が出てしまう。「箸で麺を喰う際に音を立てないようにするのは、なかなか難しい」という事実を、この時しみじみと感じた。
バジルの香りは華やかに鼻腔をくすぐる。トマトの酸味とモッツアレラチーズのまろやかさがタッグを組み、ブラックペパーがアクセントを添え、私の咽喉をパスタと共にくぐり抜ける。
800円も出せば、チャーシュー麺を喰えたかもしれない。だが、たまにはこういう小洒落たランチも、悪くない。
妻と恋人同士だった時代のことを思い出し、ついつい遠い目になってしまう私なのであった。