前中日監督の落合博満氏が著した「采配」を立ち読みしていたのだが、結構面白かったので、ついつい買ってしまった。
氏は言う。
「あの上司とは合わないなんて、逃げ道を自分で作るな。相性で人間関係を築いたり、ものを考えるのは、配偶者・家族・恋人・友人といった私生活の場面だ。社会、あるいは組織に必要なのは、能力なのだ。」
まずはこの言葉が、普段から言い訳ばかりして逃げている私を、蹴飛ばしてくれた。
そして、最後はこう締める。
「仕事で目立つ成果を上げることと、人生を幸せに生きることは別物だ。会社で順調に出世しているからといって、それで人生がすべて満たされるわけではない。人生の素晴らしさは誰と比べて幸せだから、というものではない。大切なのは、その物語を織り成しているのは自分だけだという自負を持って、自分の人生を前向きに采配していくことではないだろうか。」と。
この言葉に、私は、救われた思いがした。
落合博満という人は、一般的に、この国では不人気である。だが、この本を読んで、その珠玉の言葉たちは、私の人生のバイブルとなり得るものだと正直に思った。
・・・しかし。落合博満のように、あるいは、吉田拓郎のように生きてみたいと思いつつも、へなちょこな私は、今も逃げの言葉を探して、言い訳ばかりの人生を過ごしている。