自動車メーカー統合の波を受け「ランチア」から「クライスラー」にブランドが変わり、ついに日本正式輸入の運びとなった、「イプシロン」。我々取材班2名は、早速クライスラーのお店に駆け付けた。
なんと嬉しいことに、そのお店には試乗車も用意されていた。試乗させていただいたのは、「Gold」(税込車両本体価格235万円)であった。
5ドア車でありながらも、一見3ドア車のように見えるデザインの、サイドビュー。
指針やレタリングまでもがアートなセンターメーター。
絵表示式の空調パネルも、愉しいデザインである。
基本的には、メカニズムを共用するフィアット500に近いドライブフィール。ステアリングはしっとりと軽めで、スイスイと軽快な乗り味だが、ノイジーさは否めないといったところ。
「デュアルファンクション」という5速セミオートマの変速マナーは、昨年6月に乗ったフィアット500よりも、若干ながら良くなったようにも思えた。だが、やはりATモードでは、ギクシャク感は否めない。MTモードでスロットルの抜き差し加減を工夫しながらスムーズに走らせるのが、このクルマを操る醍醐味というか、メンドくささと言えよう。
まあ、最初から3ペダルのMTにしてくれたほうが、よっぽど気遣いなく走らせることができそうな予感がするのだが・・・
いや、このクルマは、その気品と個性に溢れたエクステリアとインテリアのデザインを愉しんでしまえばいいのだ。
私はこのイプシロンというクルマを、大いに賞賛する。一番の問題は、「自称ユニクラーの私には似合わない」ということかもしれない。ううっ。