尾車氏・ニータ氏・私の取材班3名は、本年初の試乗会へと繰り出した。
尾車氏の進言により、まず最初に乗らせていただいたのは、フォード・フィエスタ(税込車両本体価格229万円)だった。
ぽっかりと空いたその口の形状は、どことなくアストン・マーティンを連想させる。
右ハンドルの輸入車だが、同じフォードの「フォーカス」とは違って、「左ウインカー・右ワイパー」である。
それは、このクルマがタイ製ではなく、ドイツ製であるがゆえなのであろう。
空調コントロールのロジックも、なかなか理にかなっており私好み。
フロントガラスにも熱線が入っているのは、特筆すべき事項であろう。
さて、走り出してみる。
1.0L3気筒ターボエンジンを積む、このクルマ。欧州で流行のダウンサイジングコンセプトである。ラフな振動など皆無で、そうと知らなければ、このエンジンが3気筒であることに気が付かないであろう。大人4人が乗車していたにもかかわらず、その加速に、全く痛痒は感じなかった。
カタログ上のJC08モード燃費も17.7km/Lと、決して、悪くない。
そして、日本のコンパクトカーとは一線を画する、しっかり感と、スタビリティ。
ストロークではなく踏力で効かせる感じのブレーキが、また、イイ。
この日の路面状況は非常にスリッピィで、発進時にはトラクション・コントロール効きまくりだったが、走らせての不安感は、まったくナシ。さすがは欧州フォードの作品である。
また、特筆すべきは、しっかりとスペアタイヤを積んでいたこと!このあたりに私は、ドイツ人の見識を感じる。
フィエスタ。いいクルマだった。そのスタイリングテイストが気に入ったならば、買って後悔することはないだろう。
欧州フォード、あなどれません。