日産のお店を後にした我々取材班は、続いてホンダのお店に向かった。
お目当ては、フィットをベースに作られた、クロスオーバーSUV「ヴェゼル」。
試乗させていただいたのは、4WDの「HYBRID X」(税込車両本体価格256万円)である。
雪国では待望久しかった、4WDのハイブリッド・カー。スバルXVハイブリッドの好敵手となるであろう。カタログ上のJC08モード燃費は23.2km/Lと、スバルのそれを3.2km/L上回る。
そのフロントマスクは、フィットのそれよりも表情があって、なかなかカッコいい。
最新のSUVらしく、サイドアンダーミラーは、左ドアミラー内部の下方に装着。
近年、あの美しくない「キノコミラー」が、消え行く傾向にあるのは、大いに喜ばしいことである。
助手席前には、空調の送風口がズラリと並ぶ。
窓側は強く・顔面正面の中央は弱く・一番右は程よく・・・送風するように工夫されているとのこと。
センターコンソールはエスカレーターのように浮き上がっており、いわば2階建て構造である。
このクルマは、広々感よりもパーソナル感重視のコンセプトのようだ。
実際、車高の割にはヘッドルームの余裕は少なく、前席の居心地はクーペ的といえましょう。
また、相変わらずホンダお得意の「タッチパネル式空調コントロール」だが、SUVにコレはないだろう。マイチェンでは、コンベンショナルなものに直してほしい。
さて、まずは私がドライバーズシートに座り、運転させていただいた。
雪でガタガタの路面状況でも、その脚はしなやかに動き、実にイイ仕事をしているように思えた。
ステアリングフィールもそこそこダイレクトで、パワーも十二分。なかなかいいドライバーズカーだと、感心した。
SPORTモードのスイッチを入れると、メーター周りの照明がレッドに変わり、気分を高揚させる。
7速DCTは各ギアを高回転まで引っ張り、エンジン音が上下にシャープなハミングを奏でる。
いやあ、素晴らしい!と、その時は思った。
・・・だがしかし。尾車親方に運転を変わってもらい、私はリヤシートに移動。そうすると、印象は一変した。
後席には、結構、直接的に突き上げや振動が来るのだ。
センタータンクレイアウトのおかげで膝元に余裕はあるものの、ルーフラインの影響か、前席と同じく、ヘッドルームの余裕は少ない。
ヴェゼルというクルマは、やはりファミリーカーではなく、パーソナルカーとして使うべきなのかもしれない。
また、斜め後ろからのスタイルが、シトロエンDS4に酷似しているのは、いかがなものだろう。
きっと偶然似てしまったのだと、日本人の私としては、思いたい・・・