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その日我々取材班が最後に試乗させていただいたのは、トヨタの新型ハリアーだった。
近くで見ると、バンパーの造形はかなり凝っていて、抑揚に富んでいる。
だがしかし、決して煩雑というか、ビジーではない。上手いデザインだと思う。
大柄なクルマだが、この3代目ハリアーは、意外なことに国内専用車だという。
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尾車氏がステアリングを握り、ニータ氏と私は、後席に佇んでいた。
グレードは、ガソリン車の4WD「PREMIUM」。北海道地区メーカー希望小売価格は、税込3,272,600円。見た目よりも、安いといえるかもしれない。
インテリアの質感は極めて高く、実にリッチな気分である。
個人的には、クラウンあたりよりも、選ぶならこちらであろう。
4,720mm×1,835mm×1,690mmという堂々たる体躯のクルマだが、エンジンは意外に小さく、2,000ccの4気筒。
カタログ上のJC08モード燃費も、15.2km/Lと、悪くない数字。
だがしかし、空調コントロールが盲牌操作性に劣るタッチパネル式という部分には、苦言を呈したい。
蛇足ながら、スペアタイヤは、税込10,500円のオプションである。
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室内の天井やピラーの内張りがブラックアウトされているのは、昨今のクルマとしては、珍しい。そのせいもあってか、落ち着きのある室内空間だった。
まあ、人によっては、重苦しさを感じるかもしれないと、日記には書いておこう。
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このハリアー。ガソリン車でもテールランプはクリアレンズで、ハイブリッド車と共通である。部品共通化で、コストダウンを図っているのかもしれない。
だがしかし、あくまでも後席に座ってのインプレッションではあるが、価格相応、いや、それ以上の高級感がある。
余計なお世話かもしれないが、日産は、スカイラインクロスオーバーの在り方を、このハリアーから学ぶべきだと思う。