スイフトスポーツに乗って気分が高揚した、我々取材班2名。
次に向かったのは、日産のお店だった。
ターゲットは「ノートNISMO」。
試乗させていただいたグレードは「NISMO」(FF/CVT:税込車両本体価格2,125,440円)である。
履くシューズは195/55R16と、この手のクルマにしては、割とハイトの高いタイヤである。
赤と黒のコントラストがシックな、NISMO専用トリコット地シート。
常時手に触れる部分がバックスキンとなった、D型ステアリング。
まさに、「精悍なブラックに鮮やかなレッドのアクセントが映えるインテリア」。
ルームミラーは、近年流行の、カメラ式「インテリジェント ルームミラー」である。
後席に人が乗っていたり、荷物をびっしり積んでいても、後方視界が確保できるという優れモノだ。
ただし、車内側からのDピラーはココに映らないので、ルームミラーに頼ってバックでパーキングする際には、違和感を感じる方もいるかもしれない。
そのような時は、スイッチひとつで、通常のルームミラーに切り替えることができる。
さて、走らせてみる。
「NISMO」というブランドイメージから想像するよりも、このクルマは、ずっと大人っぽくジェントルであった。
エンジンは1.2Lターボのなんと3気筒だが、事前にそうと知らなければ、このエンジンが3気筒だと言い当てることは、まず出来ないだろうと思われる。
実際、私も、帰宅してカタログを見てから、このエンジンが3気筒だったことを知った。
十分にトルクフルで、しかもスポーティーな回転フィールで、このクルマを俊敏かつ鷹揚に、走らせる。
固めの筋肉が路面を追従する感じの脚回りで、ステアリングインフォメーションも濃密。
まさに、大人のスポーツハッチである。
同じ日に乗った「スイフトスポーツ」が「やんちゃ系高校球児」だとするならば、この「ノートNISMO」は「ストイックな陸上系アスリート」といったイメージ。
まあ、試乗車がMTだったせいもあるかも知れないが、運転していて面白かったのは、個人的には圧倒的に「スイフトスポーツ」の方だったのは、事実ではある。
とはいえ、この「ノートNISMO」も、我々取材班のようなタイプのクルマ好きには、琴線に響くクルマであった。
200万円そこそこでこのようなクルマが買える日本市場は、捨てたものではない。
ホンダさん。こういうクルマを、作ってくれないかなァ・・・と、気弱に願う私なのであった。