ノートNISMOに乗らせていただいた後。
「100%電気自動車」である新型リーフが目に留まってしまったので、申し訳ないが、こちらも試乗させていただくことに。
試乗車のグレードは、最上級の「G」(税込車両本体価格401万7600円)だった。
先代リーフが「ネコ科の動物のような表情」だったのに対し、この新型リーフは「目ヂカラの強い歌舞伎役者のようなマスク」である。
ボンネット先端のフタを開くと、「充電ポート」が姿を表す。
向かって左が「急速充電ポート」で、右が「普通充電ポート」なのだ。
ボンネットを開くと、「電気自動車」からイメージする独自感はほとんどなく、一見ではフツーのエンジン車のようである。
写真右側に積まれたバッテリーは、「システムの起動とエアコン以外の電子制御系(ナビやヘッドランプなど)」を担っているのだそうだ。
電気自動車ゆえに、リチウムイオン電池の冷却は、重要だ。
ホンダがF1で苦戦しているのも、ハイブリッドバッテリーの熱対策に苦慮しているからだと言われている。
ゆえに、リーフには、エンジンのクーラントにあたる水冷回路(写真右上のタンク)が組み込まれているのだ。
さて。今回も例によって、私と尾車氏が交代で、運転させていただいた。
履いていたシューズは、まだ夏タイヤだった。
215/50R17の「エナセーブ」である。
エナセーブ。私のレガシィにも履かせているが、これがなかなか良いタイヤなのだ。
インパネは、速度計がアナログ式ゆえか、見た目の先進感はあまり感じられない。
ルームミラーは、近年流行の、カメラ式「インテリジェント ルームミラー」である。
後席に人が乗っていたり、荷物をびっしり積んでいても、後方視界が確保できるという優れモノだ。
ただし、車内側からのDピラーはココに映らないので、ルームミラーに頼ってバックでパーキングする際には、違和感を感じる方もいるかもしれない。
そのような時は、スイッチひとつで、通常のルームミラーに切り替えることができる。
空調操作パネルは、慣れれば扱いやすそうだ。
また、前席ヒートシーターは、全グレードに標準装備である。
シフトレバーの扱いについては「事前学習が必要」だが、そのロジックは煩雑ではないので、オーナーになればすぐに慣れると思われる。
走らせると、まるで地下鉄をはしらせているが如くの、そのシームレスな加速感は、イコール快感である。
確かに、スロットルのみのワンペダルで、「発進から加速、そして完全停止」までをこなすことができるが、助手席の方が不快に感じない加減速で走るには、若干慣れというか時間を要するかもしれない。
とはいえ。ステアリングに曖昧な不感帯は無く、しっとりとしたいいフィールだ。
また、お腹に重量物のリチウムイオンバッテリーを積むゆえか、重心低く感じられ、乗り心地にもやはりしっとり感がある。
ラゲッジスペースの広さも申し分無しで、日常使いで不満が出ることはなさそう。
私個人としては、床面を開口部と面一にして、スペアタイヤを床下に装備してくれれば、スカーッと満点パパなのだが・・・
さて、やはり一番気になるのは、その「電費」でありましょう。
特に、冬期間の北海道。
吹雪くと、ヘッドライトON・ワイパーON・熱線デフォッガーON・デフロスターON・・・といった環境で、「電費」はどのようになるのか。
都市部であれば充電スポットもあるかもしれないが、広い北海道の地方部では、そうもいかない。
今後電気自動車が一般的になるには、やはり「電費」の技術的ブレークスルーが必要になると、私は気弱に思うのである。
とはいえ、この新型リーフ。
走らせて愉しいクルマであった。
今、色々な意味で逆風の吹いている日産だが、このリーフは、充電環境が整っているならば、「買い」ですネ。