私が洋楽をむさぼるように聴いていたのは、1985年のこと。
当時もっとも好んで聴いていたのは、「ザ・スタイル・カウンシル」の「アワ・フェイヴァリット・ショップ」であった。
そんなこともあってか、どちらかといえば、ビルボードあるいはMTV等の「アメリカ・チャート」よりも、UK(すなわちイギリス)のミュージシャンの楽曲の方が、私の肌に合っていた。
なので、今回俎上に上げるのは、「ダイアー・ストレイツ」である。
「Money For Nothing」。
Google翻訳で訳すと「用途のないお金」となるが・・・
訳詞家の和訳では「何もしないで金は入って来る」となる。
マーク・ノップラ―の、引っかかるような、ギターのフレーズ。
そこに畳みかけるような、スネアのリズム。
ハスキーというかダミ声のヴォーカルが、滋味に溢れている。
「MTV」を嘆く、風刺に効いた歌詞も、なんとも痛快だ。
そして、なんといっても、サイドヴォーカルとしてジョイントしたスティングが、これまたカッコいいのだ。
このツインヴォーカルの雄々しさは、「アリス」のそれと通じるものがある。
マーク・ノップラ―が谷村新司で、スティングが堀内孝雄だと言ったら、それぞれのファンの方には叱られるかもしれないが・・・
私は純粋に、そう感じたのである。
異論は、はばかることなく、お受けいたします。