South Is. Alps
South Is. Alps
Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
Lake Griffin


「萩の宿 常茂恵」

今回の山口への旅は、恩師を囲むグループの年一回の恒例の一泊旅行なのだが、一日早く出てグループの一部と香月美術館と萩をめぐった。
萩の町には、30年以上前に何度か来たことがある。萩の沖にある相島に行こうとしてこの町にきていたのだが、どのあたりに泊まっていたのか。そのときは、たぶん、山陽新幹線の新山口も小郡といったころで、バスで来たのだろうとおもう。それも、はっきりした覚えがない。町並みもずいぶん変わっているだろう。
香月泰男美術館を見た後、萩の城下町を散策したがほとんど記憶がない。ほぼ唯一の記憶が萩城跡の指月山であろうか。島からの船はこの山に向けて帰ってきた。
この宿は古い宿だそうだが、平成元年に現在地に移ったそうで、前回、30年前には、現在のバスセンターあたりにあったという。一部屋一部屋は庭園に面していて、それぞれが別のアングルで庭を眺めることになる。これは、気分がよい。部屋食の夕飯で一品一品手が込んでいるのだが、ちょっと塩気が多いようだ。温泉もあるるのだが、カルキ臭のある循環型の温泉のようだ。

2006-07-07 22:27:47 | 夕食・外食 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


香月泰男美術館

念願の香月泰男美術館に行ってきた。美術館は、香月の建築家となった息子たちの設計により三隅町(長門市に合併された?)の市街地から少しはなれた、山に囲まれた小盆地の中央の丘に建てられている。その階上からは小盆地、香月のいう「<私の>地球」を見渡すことができる。この小部屋の四方は大きな窓で、天井には「ホロンバイル」「シベリア」「インパール」「ガダルカナル」「サンフランシスコ」の文字が張られ、人間にとって悲惨な出来事のあった方位を指し示す。
実は、残念なことがある。それは、萩に向かう道路が、美術館と香月家、さらには仙崎方面の日本海の間をさえぎるように建設中であることで、また、すぐ脇には湯免温泉という俗悪な建物や「ふれあいセンター」なる公共建築物も建てられている。香月の「<私の>地球」は、このように醜悪に、破壊されていこうとしている。まさに、現在の地球の成り行きそのものだ。
美術館は平成5年に開館したが、その際に刊行された開館記念展画集「<私の>地球」に香月の妻が文章を書いている。そのなかで彼女は「家から美術館がよく見える」と書いている。美術館が建設されて以来、十数年の間に町でなにがあったかしらないが、何とかならなかったのか。いずれにしても、景観をさえぎる大規模な道路建設や俗悪な建築がすすむこうした光景は、三隅町に限らず、全国に見られるわけで、どこでも見慣れていることなのだが、香月の「<私の>地球」という小宇宙をさえぎる建設は、実に悲しいことである。
香月はシベリア抑留から帰国しその余生を彼のふるさと三隅ですごした。彼の絵画は、日本海に面した彼のふるさと三隅で絵画を描くことを通じて、芸術表現の普遍を目指したものである。美術館には、香月のアトリエが移築されており、彼の思索と制作の一端を知ることができる。その意味で、彼の作品と制作の場が三隅の地でこそ、見られることこそが、その存在意義であると思われる。この美術館建設の意義もそこにある。しかも、景観とともに、しかし・・・。
香月泰男美術館:http://www.city.nagato.yamaguchi.jp/~kazukiyasuo/

2006-07-07 22:24:55 | 博物館/美術館など | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )