『アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ』
岡嶋 裕史、2010、『アップル、グーグル、マイクロソフト:クラウド、携帯端末戦争のゆくえ』、光文社(光文社新書)
今どきのクラウドの動向と携帯端末をめぐるIT各社の戦略の概要について理解するのには好適の本書である。グーグルはプラットホームを問わぬ、また、マイクロソフトはWindows資産を基盤にプラットホームにこだわる立場から、クラウドと携帯端末にアプローチし、アップルは両者ともちがって、クラウドで実現されるサービス(iTunes Store)で、漁夫の利を得ようとする。
日本のIT産業の動向についてもコメントがあるが、昨今の大きな流れでどのようなビジネスが日本企業として生き残ることができるのか、その示唆が興味深いところである。まずは、日本企業のこれまでの戦略として、グローバルスタンダードなルール作りには参加せずに、決まった段階でハードウェア開発の利点を生かして、ルールの範囲内でうまくやっていこうとするが、ルールをはみ出したところでの勝負はできない。わたしは、別のブログで、電子書籍に関連して、日本の書籍の組版技術を含みこんだグローバルスタンダードを提案してはどうかと書いたのだが、本書によると、それは、どうも無理らしい。
くわえて、画期的なルールを作り出すこともなさそうだ。本書では、クラウドをあきらめるとか、ガラパゴス化を逆手にとろうという提案もあるが、それも、なさそうだ。読後感としては、日本は暗いか、というかんじであるが、どうなんだろう。
今どきのクラウドの動向と携帯端末をめぐるIT各社の戦略の概要について理解するのには好適の本書である。グーグルはプラットホームを問わぬ、また、マイクロソフトはWindows資産を基盤にプラットホームにこだわる立場から、クラウドと携帯端末にアプローチし、アップルは両者ともちがって、クラウドで実現されるサービス(iTunes Store)で、漁夫の利を得ようとする。
日本のIT産業の動向についてもコメントがあるが、昨今の大きな流れでどのようなビジネスが日本企業として生き残ることができるのか、その示唆が興味深いところである。まずは、日本企業のこれまでの戦略として、グローバルスタンダードなルール作りには参加せずに、決まった段階でハードウェア開発の利点を生かして、ルールの範囲内でうまくやっていこうとするが、ルールをはみ出したところでの勝負はできない。わたしは、別のブログで、電子書籍に関連して、日本の書籍の組版技術を含みこんだグローバルスタンダードを提案してはどうかと書いたのだが、本書によると、それは、どうも無理らしい。
くわえて、画期的なルールを作り出すこともなさそうだ。本書では、クラウドをあきらめるとか、ガラパゴス化を逆手にとろうという提案もあるが、それも、なさそうだ。読後感としては、日本は暗いか、というかんじであるが、どうなんだろう。
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