『虐殺器官』
伊藤計劃、2010、『虐殺器官』、早川書房 (ハヤカワ文庫JA)
久しぶりに読みごたえのあるSF小説だった。
2001年のテロを境に、合衆国に対するテロをなくすために民族紛争続発させる虐殺のための文法をもとに、各地の政権に取り入りメッセージを振りまく元言語学者ポールの黒幕は?合衆国の合衆国の暗殺部隊の一員のクラヴィスの一人称で、その顛末を描く。そして、衝撃のエピローグ。
虐殺のための文法はどの言語にも含まれる共通因子で人類言語の進化にかかわるものとされているのだが、その中身が本書で描かれることはない。そのあたり、隔靴掻痒の感があるが、リズムよくすすむストーリー展開に一気に読み進むことができる。くわえて、架空であるはずの物語の中に、現代社会の諸問題、諸矛盾がみえてくるはずだ。フィクションとリアリティが交錯していて、フィクションの影に見え隠れするリアリティがわかると、現代社会の暗部に暗澹とした気分にさせられることだろう。
伊藤計劃:第弐位相:http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/
一斗缶:伊藤計劃Web目録:http://maturiyaitto.blog90.fc2.com/blog-entry-214.html
久しぶりに読みごたえのあるSF小説だった。
2001年のテロを境に、合衆国に対するテロをなくすために民族紛争続発させる虐殺のための文法をもとに、各地の政権に取り入りメッセージを振りまく元言語学者ポールの黒幕は?合衆国の合衆国の暗殺部隊の一員のクラヴィスの一人称で、その顛末を描く。そして、衝撃のエピローグ。
虐殺のための文法はどの言語にも含まれる共通因子で人類言語の進化にかかわるものとされているのだが、その中身が本書で描かれることはない。そのあたり、隔靴掻痒の感があるが、リズムよくすすむストーリー展開に一気に読み進むことができる。くわえて、架空であるはずの物語の中に、現代社会の諸問題、諸矛盾がみえてくるはずだ。フィクションとリアリティが交錯していて、フィクションの影に見え隠れするリアリティがわかると、現代社会の暗部に暗澹とした気分にさせられることだろう。
伊藤計劃:第弐位相:http://d.hatena.ne.jp/Projectitoh/
一斗缶:伊藤計劃Web目録:http://maturiyaitto.blog90.fc2.com/blog-entry-214.html
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