『慶応三年生まれ 七人の旋毛曲り―漱石・外骨・熊楠・露伴・子規・紅葉・緑雨とその時代 (新潮文庫)』
『漱石と熊楠』に触発されて読み始めたもの。同世代が重なるものだ。
外骨についてはたぶん、知っている。外骨はこの7人で最もっとも長命で、昭和33年に亡くなったというが、自分自身に関わる記憶がある。この人の名前はなんと読むのかと言うのを家で話題になったことがあるからだ。当時自宅では朝日新聞をとっていて、その記事で話題になったからだ。小学生だったけれど。
本書は、未完。だって、色々と中途半端なままで終わっている。7人全てを平等に扱うわけにもいけないだろうから、それはいいのだけれど、もう少し、お互いの関係をまとめて書いてもらいたかったものだ。それでも、そもそも、慶応三年にこんなビッグネームが揃って生まれていたというのは、これだけで十分に意味のあることだ。現代日本文学に通じるながれの源流近くでお互い関わり合っていたというのは、とても興味深い。