ラジオの修理に欠かせないオシロスコープの電源ランプが切れてしまいました。切れたからと使えないわけではないのですが、電源を入れているのか切っているのか分かりません。朝から大雨でしたので農作業はできません。そのため、家に籠って修理することにしました。最初、オシロスコープの外側筐体(ケース)を外しました。二つのネジを外すと、スルリとケースが外れました。こうして、オシロスコープの本体とケースを分離しました。
光らない電源ランプ ケースの二つのネジを外す 本体とケースを分離
本体内部を見ると、オシロスコープの構造が良く分かります。上部にある細長い管はブラウン管です。テレビのブラウン管は薄くするため電磁力線で電子を偏向しています。しかし、オシロスコープのブラウン管は電気力線で電子を偏向しています。そのため、細長い構造をしています。なお、ブラウン管は真空管の一種です。
細長いブラウン管とフィラメントが切れた電源ランプ
本体を露わにしたついでに回路をチェックしてみました。すると、真空管とトランジスタの両方を使用したハイブリッドな構成でした。確か、私が高校生の頃に購入したオシロスコープです。回路には懐かしいトランジスタが使われています。それは、東芝製のNPN型トランジスタ型番2SC372です。今標準的に使われているのは2SC1815ですが、当時は2SC372だったのです。私も良く使いました。トランジスタ以外に、これまた懐かしい真空管6AQ8(双三極管)が使われていました。
懐かしいNPN型トランジスタ2SC372と真空管6AQ8(双三極管)
ところで、電源ランプはフィラメントが光る6.3Vタイプのいわゆる電球です。しかし、特殊タイプの口金でした。そのため、私が持っている電球の口金は合いません。
やむなく、雨の中をこの電球を買いに行きました。しかし、同じ規格の電球はありませんでした。そこで、同じ口金の電球を売っているカー用品コーナーに行ってみました。しかし、同じ規格の電球はありませんでしたが、同じ口金で12Vの電球がありました。電圧が違うので弱くしか光りませんが、これしかないためこの電球を購入しました。
フィラメントが切れた電球 下:故障電球,上:私の手持ち 購入した12V電球
電圧が違うため、光るかどうか心配でした。しかし、弱いながらも光ってくれました。この程度光ってくれたら十分です。この電球を取り付けました。ケースを本体に取り付け、電源スイッチを入れるとやんわりと赤く光りました。この次に電球が切れた場合、LEDランプに取り替えようと思います。
このオシロスコープは、私が青春時代の頃から使っている大切な一品です。その後現れたシンクロスコープは測定周波数に同期してくれますが、このオシロスコープは手動で同期しなければなりません。そのため使いずらいのですが、まだまだラジオ修理などに現役で活躍しています。
光ってくれた新しい電球 やんわりと赤く光る