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この日からの選択の連続

2013年09月08日 | 雑記帳
 いつものように五時前には目を覚ましたので,ネットを使ってリアルタイムに「五輪決定」を見た。単純に喜びたい気持ちもあるが,どうも鼻持ちならぬ発言をする輩もいる。それはソトヅラではないでしょうね,と念押ししたい人もいる。今浮かれるのではなくて,それまでの期間をどう歩むか,心したいことだ。



 内田樹氏は「五輪は開催国の豊かさや政治力を誇示するためのものではなく、開催国民の文化的成熟度を示す機会である」と書いている。文化的成熟度を何で示すか。マクロ的に見れば今後の国や都の予算の使い方に表れるだろう。そしてミクロ的には,その施策を受けとめる私達の判断と行動…凝視する必要がある。



 東京五輪のとき,小3の自分は学校の視聴覚室で競技を視た記憶がある。はっきりしないが水泳だった気がする。そのテレビは20型ほどの小画面,しかも扉つきの木箱に囲われていた。高度成長期,平和と豊かさの象徴として五輪開催の意義は確かだった。今,求められていることは何か。4年前とは根本的に違う。



 湊かなえの『花の鎖』を読み切った。巧みな構成で楽しめた。後半部で三世代,三つの時代が描かれたことを知ることになるが,そのつながりを「鎖」と表現したことが,運命的で頑強な物語の象徴と感じた。選択の連続によって国や個人の進路は決まる。後戻りはできないが,よりましな選択を見誤ってはいけない。