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桜と絵本と豆乳と

偉大なる後見人

2013年09月18日 | 雑記帳
 『おくりびと』が映画賞に輝いたときもスポットはあたったが、今また例の「くまモン」絡みなのか、小山薫堂ブーム?のようである。雑誌『Pen』の9月号で特集されたと思ったら、今度は『DIME』でも大きく取り上げられている。雑誌編集者たちのねらい、読者のニーズはどのあたりにあるのだろうか。



 小山の考えはそんなに斬新なものではない。何故受けるかといえば、わかりやすさ、庶民性といった点か。ポイントカード貯めへの執着を宣言するセコさ感に惹かれるのか。しかし、そういう些細なことへ徹底してかかり切るところに、したたかなメンタリティがあるのだ。それが「企画」を商売にできる素地になる。



 「小山薫堂ってどんな人?」という一言アンケートがなかなか面白い。秋元康がこんなふうに言う。「人当たりのいい魯山人」。魯山人自身の性格は書物やドラマでしか知らないが、なんとなく言い得て妙だ。今社会に求められている「核」や「芯」の役割を果たす人の多くは、その二つの要素を持ち合わせている。



 とは言いながら、直接的に読者を惹きつけているのは、もしかして「あのくまモンの…」ということなのか。開発者でも推進役でもなく後見人のような役どころと思うが、小山の存在と周囲を巻き込む力は大きい。ゆるキャラ全盛、もはや過剰的な状態の中でのヒットは、波及効果のなかで益々拡大する。お見事。



 こうなると、元祖ゆるキャラ日本一(幻のTVチャンピオン編)の秋田県としては実に悔しい。県外の人には馴染みは薄いだろうが「スギッチ」である。こちらもとうに県職員の活動をしているが、アピール度は今一つ。スギつながりで「すぎちゃん」とのコラボはもはや時遅しの感があった。強力な後見人が必要か。