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その子は道徳が苦手と言った

2014年03月14日 | 雑記帳
 毎年、卒業式に合わせて、6年生に「思い出のB面」と題して一言を書いてもらっている。このブログのバックナンバーをみると2010年に始めているようだから、もう5年になる。11年と去年は感想を残していた。いつものことながら個性が出るし、イマドキの子たちの傾向もわかる。自画自賛めくが続けて良かった。


 今年、おっと思った回答がある。六番目の設問「学校に来て、一番苦手な時間はいつ?」…パターンとして「朝一時間目(眠くて)」「四時間目(腹がへって)」と「苦手な学習時間」に分かれる。その三つ目に該当する答えだが、今まで続けてきて、初めてである。曰く「道徳の時間です。それは答えがないから。」



 その子の個性と教師側の指導を棚上げする形になるが、少し考えてみたい。「道徳の時間は好きですか」というアンケートを自分自身はとった記憶がない。全国的なデータはあるだろうが、どんな傾向があるのか。しかし、まずその前に「道徳には、答えがあると思いますか」という問いに、子どもはどう答えるのか。



 またその問いを、教える側に向けてみたらどうなる、どう答えるか。そう答えはある。教科化の論議を棚上げしても、現に道徳が教育課程の一つとしてあり、目標と指導内容が示されているから、それが答えなのである。しかし、その子は「答えがない」と言った。これは単に能力や指導法の問題とは言えないだろう。



 子どもが「問題場面をどうとらえるのか」「何をすべきか」がつかめないから、そう言ったと仮定する。そうすれば少し見えてくる。つまり、事象の見方と、対処や方法について明確に示すこと。もちろん、それは複数であってよい。従ってより肝心なことは「答えとは複数あるのだ」という認識を持たせることにある。