すぷりんぐぶろぐ

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身体の声に耳を澄まそう

2014年03月22日 | 読書
 「2014読了」31冊目 ★★

 『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(藤田紘一郎  ワニブックスPLUS新書)


 自称健康オタクであるので、また以前著者の書いた「腸が考える」という件はインパクトが強かった。
 

 この本も書いていることはだいたい予想できたが、軽読書のつもりで購入した。

 とりあえず、いくつか新しい健康知識を知ることができた。
 ただ、それ以上に、常識という枠に縛られている生活全般の見直しを迫られているような気になった。

 個人的な生活もそうだが、たとえば社会全体の風潮、進み方についても考えさせられる。

 O-157やO-111に関しての記述はこうある。


 大腸菌を悪玉菌と呼び、抗菌薬や殺菌剤を使って人間が排除しようとした結果、大腸菌は生き延びるために、約200種もの変種を生みだしました。その多くが、生き抜くための強い毒性を持つようになったのです。


 突飛な連想かもしれないが、社会全般が多様なものを認めなくなっていて、それが人間自身を追いこみ、時に猟奇的な事件、不可解な問題につながっていることと似ているように思えた。

 昔の社会は現在よりも固定化され、階層化されてはいたが、人間同士の関係はずっと幅が広かったように思う。
 当然ながら管理があっても網目が広く緩やかだったのではないか…。

 その中で、人は「あるがまま」の部分を一定は保障されていた気がする。
 今の世の中は、自由だ、個性だと言いながら、それは結局誰かの手の内で踊らされている感覚が抜けない。


 いろんなことが頭の中(つまりは脳)で渦巻く。
 では、ここで「腸」は何を考えているのか…それを言語化できたら凄いが、はたして可能か。

 ただ、腸も含めて、身体が何を望んでいるか、落ち着いてよく聞こうという姿勢は、大事だと思う。
 具体的には「食文化」や「生活常識」を見直してみることから、始まる。

 「落ちたものを食べる」ことに積極的にはなれないが、とりあえず、石鹸で手を洗うのは日に2回ぐらいにしよう。