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分水嶺は見えているか

2014年09月25日 | 読書
 野中信行先生がブログで取り上げていた『週刊東洋経済9/20号』を買い求めてみた。馴染みの書店では見かけたことがなかったので、Amazonに注文したら翌日に届いた。ああ、この雑誌いつぞやKioskで買ったことがあるなあと思い出した。何の特集だったろうか。今回は「学校が危ない」。予想がつく内容ではある。


 三つの視点から語られる。「先生たちのSOS」「変容する学力格差」「教育改革の光と影」。総ページ数126の中の50ページ近くを割いての特集である。ざあっと目を通しただけでも、気分が落ち込んでくるというのが正直なところ。論調は、現場や教師擁護のようだが、今後の厳しさがぐっと浮き彫りにされている。


 「秋田モデル」という語も使われていて、取材記事がある。大阪大学の志水教授による分析もあった。「応用力」に優れた秋田という括りは一般的であるが、必ずしも地元の教員がそう考えているとは限らない。テストで計れるのは、やはりある程度型を持つ問いだ。それらに向かう手立ての多様さはあるかもしれない。


 結局、この雑誌を見て最後に心に残ったのは、表紙にあるこの言葉「教育劣化は日本経済の大問題だ」。経済誌だから当然なのかもしれないが、ある意味、その発想自体が劣化をもたらす一因であることも確かだろう。むろん経済の沈滞を望むわけではないが、そこにとらわれている「改革」とやらが、首を絞めている。


 6月某研修会で某先生の言われた将来予測は、「教員は公務員でなくなる」。そこに描かれる学校の将来、日本社会の将来はどんなものか。特集記事にあった非正規職員の割合の増加、そして官民一体校の始動を考えると、分水嶺はそんなに遠い将来ではない気がする。その流れにいる自覚,見えているかということ。