すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

12月号から読み拾う言葉

2014年12月04日 | 読書
 『図書』…徳永進医師の連載は、命の現場が描かれていていつも読み入ってしまう。今月号で響いた言葉「大体のことは『思い』と『思いがけない』で進む。『思いがけない』が事を大きく決めていく気がする。」延命治療をしないと約束していても、その場でひっくりかえったりする。また、尊く貫かれる意志もある。


 『波』…立川談志の書評を書いた和田尚久氏が、談志を「矛盾のかたまりのような人だった」と評した。その説明に深く納得させられる。「いつもぶれている人だった。文脈に左右され、みずからを裏切る言動が、しかし、その瞬間に於いては、真実の強さを持っている」徹底的に頑固であることは、かくも美しい。


 『本』…高島俊男氏の連載「漢字雑談」は「外来語」がテーマだ。今まで気づかなかった問いがたくさんあった。「外来語という前はなんといっていたか」「どこまでが外来語の範囲か」「どうして中国から入ってきた語は外来語でないのか」…ある程度の答えは出ているが、あまりに増殖しすぎてぼやけているのが、正体だ。


 『ちくま』…斎藤美奈子氏の書評はいつも興味深い。今回のテーマは「女子」。自分の印象では10年ほど前に、ラジオ番組でそんな使われ方をしていたことを思い出す。その中心が「40代女子」と知って、結局はアラフォーと同じように、購買意欲を促すための名づけが大きいと納得する。何事も経済、経済なのか。