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拾い読みのキニナルキ

2014年12月25日 | 雑記帳
 遅ればせながら『総合教育技術』誌の今月号より,キニナルキを三つばかり。


 巻頭インタビューで登場したのは,ジャーナリストの門田隆将氏。
 「吉田調書」誤報問題のことを中心に,情報リテラシーの話題で,次のように語っている。

 学校教育には,本を読んで真実の世界に行き当たりなさい,という教育こそ必要である

 本の情報量,物語,著者の気持ち,願いは,きっとネットでただで手に入る情報とは大きな違いがあるはずである。



 石川晋先生が,特集の中で一本原稿を書いている。
 年度初めに中学1年生に対して詩の視写を行い,こんな見取りをするという。

 もし視写の結果が著しく悪かった場合,子どもたちは授業や学校そのものに対して,よい感情を抱いていない可能性も高いでしょう。

 これは納得できる。視写に意図的に取り組んできたかどうかではなく,活動をトータルに見た場合に,授業がきちんと機能していたかどうかの視点になるということだろう。
 書き写す意欲や力を育てられる授業の安定感を想う。



 有田和正先生の追悼特別企画があった。
 大学教授になってからのエピソードの一つに頷いた。

 教師になった教え子たちを案じ,折に触れ,「がんばり過ぎないように」などの便りを送り,その成長を楽しみにしていたという。

 ご自身が何より「追究の鬼」であった先生が,どんな気持ちでそう書かれたのか。
 今学校現場で「がんばる」ことの意味が問い直されなければ,教育に笑いや面白さは生まれないのかと,ぼんやり思う。