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出でよ!しんがりのリーダー

2014年12月05日 | 雑記帳
 講談社の『本』12月号の平田オリザ氏の連載を読んでいたら、今まで出逢ったことのない言葉を見つけ、考えさせられた。

 しんがりのリーダーシップ


 平田を大阪大学に呼んだ、鷲田清一前総長が「逆方向のリーダーシップ」もあるのではないか、ということで名づけたらしい。
 つまり、人を引っ張ったり、説得したりする力とは異なる能力だ。

 それを次のように説明している。

 「しんがりのリーダーシップ」とは、逃げ遅れた奴はいないか、けが人はいないか、忘れ物はないかを見て回り、最後には「ここはオレが防ぐから、お前たちは早く逃げろ」と仁王立ちで踏ん張る、そういった能力だ。


 ふと、最近訃報がもたらされた、あの大物俳優の姿が重なる。
 映像だけでなく、実生活の様々なエピソードにも当てはまっているのではなかったか。

 それにしてもそんなリーダーがいなくなった。
 某巨大政党にも昔はそんなリーダーが確かにいたのではないか。
 今は皆無とは言わないが、その資質を持った方々が埋もれている気がする。


 「しんがりにはあの人がいてくれる」と思えることは、きっと力につながる。
 安心して取り組める、思いきって頑張れる…そういう仕事の向きを保障できる。

 この、おそらくは多くの人には評価されない難役は、目指したから出来るわけではないけれど、そして今までそんなふうに努めてきたかどうか全く自信はないけれど、これからの時代に、自分たちの世代が担う一つの役割ではないかという気がした。

 責任はそうやってとるべきなのかな、としきりに頭の中を声が駆け巡る。