地域文集の巻頭言を書く役目があって,ディスプレイに向かった。
書き出しはすぐに思い浮かんだ。
『羽後の子ども』には少し思い入れがある。
自分が担当だった時期もあったので,まあその思い入れの部分は長くなるわけで,頭に浮かぶままにキーボードに打っていったわけだが,やはりどうしても以前の文集を見直さなければならないなと思った。
そこで,自宅の書棚を探して,何冊か読んでみた。
たまたまだったのか,もうそれしか保管していないのか,定かではないが,自分の担任時代に書かせた,子どもの作文・詩が載っている号がいくつかあった。
当然とはいえ,読みながら懐かしさに浸ってしまう。
初めて1年生の担任になったときの子が「クリスマスパーティー」という題で,こんなふうに書いている。
先生がケーキをもってきてくれました。チョコのクリームでした。十人いるので,ろうそくを十本さしました。火をつけたら,先生のめがねにろうそくの火がうつって,きれいでした。みんなでいっしょにふうっといってけしました。
至福の時を過ごしていましたなあ(涙)。
読んだその日がちょうどクリスマスだったので,自宅の夕餉でそんな話題を出したら,「そういえば,ずいぶんと大きなケーキだったねえ」と覚えていてくれた。
この学級は翌年から複式になり,三年生まで持ち上がることになった。
二年後の文集には,別の子の「おべんとうパーティー」という詩が入選していた。
ウィンナー
にくだんご
ゼリー
サラダ
ぜんぶで十六このおかず
おぼんの上は
ゆうえんちのように
たのしそう
と始まる詩を読み,ああそうだったそうだったと思い出した。
各家庭にお願いし,一種類で十六人分のおかずをそれぞれの家で作ってもらい,それを持ち寄ってパーティーをやろうと計画したものだ。
何年か続けたように思う。
そういう要望がすんなり通ったし,校内での了解などもなかった時代だ。
それぞれの家の味を,ほんとうにたくさんの笑顔で頬張ったように思う。
この詩は次のように結ばれていた。
たぶん,指導者だった自分の思いがこうだったからに違いない。
ああ,しあわせ
ぼくらのおべんとうパーティー
書き出しはすぐに思い浮かんだ。
『羽後の子ども』には少し思い入れがある。
自分が担当だった時期もあったので,まあその思い入れの部分は長くなるわけで,頭に浮かぶままにキーボードに打っていったわけだが,やはりどうしても以前の文集を見直さなければならないなと思った。
そこで,自宅の書棚を探して,何冊か読んでみた。
たまたまだったのか,もうそれしか保管していないのか,定かではないが,自分の担任時代に書かせた,子どもの作文・詩が載っている号がいくつかあった。
当然とはいえ,読みながら懐かしさに浸ってしまう。
初めて1年生の担任になったときの子が「クリスマスパーティー」という題で,こんなふうに書いている。
先生がケーキをもってきてくれました。チョコのクリームでした。十人いるので,ろうそくを十本さしました。火をつけたら,先生のめがねにろうそくの火がうつって,きれいでした。みんなでいっしょにふうっといってけしました。
至福の時を過ごしていましたなあ(涙)。
読んだその日がちょうどクリスマスだったので,自宅の夕餉でそんな話題を出したら,「そういえば,ずいぶんと大きなケーキだったねえ」と覚えていてくれた。
この学級は翌年から複式になり,三年生まで持ち上がることになった。
二年後の文集には,別の子の「おべんとうパーティー」という詩が入選していた。
ウィンナー
にくだんご
ゼリー
サラダ
ぜんぶで十六このおかず
おぼんの上は
ゆうえんちのように
たのしそう
と始まる詩を読み,ああそうだったそうだったと思い出した。
各家庭にお願いし,一種類で十六人分のおかずをそれぞれの家で作ってもらい,それを持ち寄ってパーティーをやろうと計画したものだ。
何年か続けたように思う。
そういう要望がすんなり通ったし,校内での了解などもなかった時代だ。
それぞれの家の味を,ほんとうにたくさんの笑顔で頬張ったように思う。
この詩は次のように結ばれていた。
たぶん,指導者だった自分の思いがこうだったからに違いない。
ああ,しあわせ
ぼくらのおべんとうパーティー