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桜と絵本と豆乳と

大人の語るキニナルキ

2019年03月14日 | 読書
 「大人のことば」を言えるようになりたいと時々思うが、いかんせん、どうにも成熟できないようだ。
 相変わらずことば集めのようなことを続け、何かが溜まっていくことを期待するしかないか…。

 と、今日は年齢もそれなりに大人の人の、キニナルキ。


Volume.152
 「鮨は口に入れると、新鮮な種を食べているように思うが、実は職人の気力を口に入れているのである。だから私は、そういうものを子供に食べさせるべきではないと常々言っているのだ。」

 伊集院静が、鮨屋で子供に鮨を食べさせるなと書いていることは前から知っている。
 そうした贅沢なモノを子供のうちから食べると…などと軽く考えていたが、もう一つ奥があった。

 「職人の気力」は子供の口には伝わらない。

 特別な場合を除いては、年相応のものと接することが社会の規範を支えていく道理といえよう。


Volume.153
 「『自分らしい仕事』というものがあると思っているだろうけど、どこにていても自分らしく働くことこそが自分らしいということなのよ」

 木皿泉の書いた脚本のなかにある台詞らしい。
 対談した羽海野チカが、気に入った台詞としてメモしてあると語った。
 ちなみに、ドラマの中では浅丘ルリ子が口にしたようだ。情景が浮かぶ。

 これは一時期「自分探し」のように「仕事探し」をした多くの若者に対して向けられているだろう。
 しかし、現在でも耳を傾けてほしい人はたくさんいる。

 自分らしく在ることがなかなか難しい世の中だ。
 どこかに自分を丸ごと受けとめてくれる環境があるというのは、幻想だ。

 環境にしっかり参画しようという意図を持ってないかぎり、周囲は自分から遠ざかるのみだ。