すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

その時間は貴方のものだ

2019年03月09日 | 雑記帳
 三十代後半、夏休みにひと月近く入院したことがある。その時になんとなく、人生の折り返し地点なのかと考えることがあった。一般に公表されている日本人の平均寿命からすれば妥当な時期だと思うが、人生の折り返し地点は20歳であるという論があることをご存じだろうか。「心理的な時間」としてその頃とされる。


 あっ、これは「ジャネーの法則じゃねーの(笑)と思い浮かんだ方は、物知りだ。よく齢をとると一日が過ぎるのが早い、あっという間に一年が経つなどと言う人がいる。それは「主観的に記憶される年月の長さは,年少者にはより長く、年長者にはより短く評価される」というジャネーの主張を体感していることになる。


 「50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する」から「50歳にとっての10年間は、5歳の人間にとっての1年間」「5歳の人間の1日は、50歳10日に当たる」という説明がある。わかったようなわからないような…ただ、自分も実感しているのは確かだ。


 となると60歳になり仮に余命が20年あったとしても、それは1歳時の子どもの体感(1年=365日)に比べると60分の1以下、つまり1年が6日以下なのでおよそ100日ちょっとが目安だろうか…と愚にもつかない計算もしたくなる。しかしいずれ感じ方の違いであり、物理的な時間に差がないから一緒に生きている。


 楽しくてあっという間に時間が過ぎた、という経験は誰しも持っている。その意味では、生の充実が実感を決めるとも言える。「早く過ぎた」をどう振り返るかがポイントなのか。目の前の大事なこと、または新しい経験に集中して向き合って、かけがえのない時間を持てれば、いくら早く過ぎてもいいんじゃねーの