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評価の耳目を持つ面白さ

2019年03月27日 | 雑記帳
 某地方局の番組モニターに応募し、この1年間務めてみた。指定されたテレビ、ラジオ番組があり、その中から月に4,5本視聴し形式に沿ってレポートをする形だった。「独り視聴者委員会」を自称するほど好きな分野なので、さほど負担を感ぜずにこなせたし、評価の耳目を持って向き合うことの面白さも味わった。


 数えてみると50本以上は書いているので、総括的な点を記しておきたい。まず、モニター対象になる番組は当然地方局制作である。ラジオで帯時間帯で放送されるレギュラー番組から、時季に応じた観光CM的なレポート、さらには硬派なドキュメンタリーと、種類はあるがややパターン化していることは否めない。


 それでも特にラジオなどはよく耳を凝らして聴くと、いろいろ工夫されているものだなあと改めて気づく。音だけでイメージ化を図るために、ナレーションはどんな要素を大切にするか伝わってくる。特にスポーツ中継などは顕著だ。ふだんTV視聴に慣れた者にとっては刺激的だし、ある面でいい頭の体操にもなる。


 当たり前とはいえアナウンサー個々の巧拙の差に気づく。特に新人アナは在京局も全く同様だが、地方だと人数が少ない分目立つ。ゆえにベテランになるとこれほど技能が高まるものかと驚く…これもやはりラジオで痛感する。またBGMの入れ方一つとっても納得する点も多く、細部に宿る価値を見つけた気になる。


 ふだんは気に留めない媒体も、評価する立場で向き合うと作り手側の意図だけでなく、放送全般に影響を及ぼしている存在や空気などにも気づく。民放ゆえにCMの分量、配置などもそうだ。メディアリテラシーという語はかなり一般的になったが、時々気合いを入れて対象を見つめないと錆びつく一方だと自省した。