和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

大坂の図書館。

2014-06-10 | 本棚並べ
本棚に
田辺聖子著「大阪弁ちゃらんぽらん」(中公文庫)
があった。この文庫解説は織田正吉氏。
その解説からすこし引用。

「大阪に生まれ、大阪に育ち、大阪に住み、
現在も大阪近郊の伊丹市にあって旺盛な
執筆活動をつづけておられる田辺聖子氏の文体は、
骨格からディテールに至るまで、まちがいなく
大阪弁という基本語によって支えられている。
間口、奥行ともにひろびろとした
田辺文学という建築群の、これはその部品について
手練の施工者自身が吟味し、読者の前で一つ一つ
手に取って説明するカタログでもある。」(p209~210)

うん。買ってあっても読まずじまいだった、
この文庫(昭和56年発行)をパラリとひらくと、
おもしろい一覧表がありました。
そこも引用。

「大阪人とあらば、誰でも彼でも、もうかりまッか
と言い交わすわけではない。大阪人にもとんと
金儲けにうとい奴、金に縁のないのが多く、むしろ、
金儲けに関心ない、といってもいい、そういうのが多い。
『大阪春秋』という雑誌の三号に、鷲谷樗風(ちょふう)
さんが書いていられるが、明治28年頃のことで
『大阪にないもの一覧表』というのがあるそうである。」

ということで、一覧の18の全部を引用したいけれど
そこから、4つ引用。

1、華族。
(これは当然であろう。大阪は商人町人の町である)

4、図書館。(作っても行く人がおらぬ)

13、馬上読書。(机の前でも本などよまぬのが、
     何として人力車の上でまで読むものか)

18、東照権現。(当然コケンにかかわる、
       ここは豊太閤のご城下である)


以上はp154~155。

う~ん、戦時中の学生・司馬遼太郎が、
大阪の図書館で、気ままに本を出し入れしてる。
そんな姿が思い浮かんでくるような(笑)。
コメント (2)
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