NHK連続テレビ小説「花子とアン」。
それにあわせたように、村岡花子エッセイ集
「腹心の友たちへ」(河出書房新社・
2014年2月28日初版)が出ておりました。
各3ページほどのエッセイが並び、
それを、パラリとひらくと、
う~ん。まるでサザエさんの四コマ漫画を
丁寧に読み始めるような気分になります(笑)。
ということで、パラリとひらくと
こんな箇所。
「・・花を私はきょくたんに愛する。
大事で大事でたまらない。どんな切り花でも、
いけたが最後、出来るだけ長く美しくしておきたい。
毎朝水を変えてやるのはもちろんだが、
その前に一、二分、トップリ水の中に花をつけて、
それからクキを少し切って
新しい水にいけるのである。
こうして、少しずつ切っていくので、
最後にほんとうに短くなってしまう。
それでも花がきれいな限りは
どうしても捨てる気にならない。
花だけになってクキがなくなってしまうと
鉢に水をいっぱい入れて、その中に浮かせる。
そんなことをして、パンジーなどは中々
美しくなることもあり・・・
私はどうしてこんなに花に執着を持つのだろうと
我ながら不思議になるくらいである。
それから原稿用紙については
私はひどくケチンボである。
一行か二行書いてはホゴにすることが度々なのだが、
どういうわけか、そのホゴ紙を捨てる気になれない。
丁寧にその一行二行を切り捨て、
残った紙をまたほかの原稿の書きそこなった
箇所へはって正しいことをその上に書く
というめんどうを敢えてするのである。
ほかのものもこんなに大切にするのならわかるが、
そうではない、ずいぶんむだの限りをするのに、
原稿となると、このようにケチになる・・・」(p10~11)
うん。村岡花子の肉声を聞いているような、
そんな気がしてくる(笑)。
そうそう、花を活けることについては、同時に、
それは、花子さんの夫の肉声だったのでした。
ということで、同じ場面が繰り返されておりました。
「朝花の水をかえる。
花をトップリと桶(おけ)の水の中につけて、
花びんの水をかえて、さて花を一本ずつ
少しクキを切って挿す。
花はいきいきとして、また美しさを増す。
こうして、クキのさきをポツンと切る度に
耳にひびいて来る声――
『毎日、少しずつクキを切るんだとさ。
そうすると花がよく保つそうだよ。
そしてね、一分ぐらい、
花を水につけるんだとさ。
だから切る前に水をつけておいて、
一本ずつさきを切って活けるんだね』
大変な発見をしたように、
私に話した夫の声がよみがえる。」(p17)
とまあ、このようにして52話。
ちなみに、この村岡花子エッセイ集は
2冊目が出ており、3冊目も7月販売予定
とあります。
それにあわせたように、村岡花子エッセイ集
「腹心の友たちへ」(河出書房新社・
2014年2月28日初版)が出ておりました。
各3ページほどのエッセイが並び、
それを、パラリとひらくと、
う~ん。まるでサザエさんの四コマ漫画を
丁寧に読み始めるような気分になります(笑)。
ということで、パラリとひらくと
こんな箇所。
「・・花を私はきょくたんに愛する。
大事で大事でたまらない。どんな切り花でも、
いけたが最後、出来るだけ長く美しくしておきたい。
毎朝水を変えてやるのはもちろんだが、
その前に一、二分、トップリ水の中に花をつけて、
それからクキを少し切って
新しい水にいけるのである。
こうして、少しずつ切っていくので、
最後にほんとうに短くなってしまう。
それでも花がきれいな限りは
どうしても捨てる気にならない。
花だけになってクキがなくなってしまうと
鉢に水をいっぱい入れて、その中に浮かせる。
そんなことをして、パンジーなどは中々
美しくなることもあり・・・
私はどうしてこんなに花に執着を持つのだろうと
我ながら不思議になるくらいである。
それから原稿用紙については
私はひどくケチンボである。
一行か二行書いてはホゴにすることが度々なのだが、
どういうわけか、そのホゴ紙を捨てる気になれない。
丁寧にその一行二行を切り捨て、
残った紙をまたほかの原稿の書きそこなった
箇所へはって正しいことをその上に書く
というめんどうを敢えてするのである。
ほかのものもこんなに大切にするのならわかるが、
そうではない、ずいぶんむだの限りをするのに、
原稿となると、このようにケチになる・・・」(p10~11)
うん。村岡花子の肉声を聞いているような、
そんな気がしてくる(笑)。
そうそう、花を活けることについては、同時に、
それは、花子さんの夫の肉声だったのでした。
ということで、同じ場面が繰り返されておりました。
「朝花の水をかえる。
花をトップリと桶(おけ)の水の中につけて、
花びんの水をかえて、さて花を一本ずつ
少しクキを切って挿す。
花はいきいきとして、また美しさを増す。
こうして、クキのさきをポツンと切る度に
耳にひびいて来る声――
『毎日、少しずつクキを切るんだとさ。
そうすると花がよく保つそうだよ。
そしてね、一分ぐらい、
花を水につけるんだとさ。
だから切る前に水をつけておいて、
一本ずつさきを切って活けるんだね』
大変な発見をしたように、
私に話した夫の声がよみがえる。」(p17)
とまあ、このようにして52話。
ちなみに、この村岡花子エッセイ集は
2冊目が出ており、3冊目も7月販売予定
とあります。