平川祐弘著「日本語は生きのびるか」(河出書房新社)
集英社新書「書物の達人 丸谷才一」
この2冊に会議のことが出てきたので、
ここに引用しておきたくなりました。
まずは平川氏の文から、
「日本人が国内的平等をいくら重んじたところで言語の国際的不平等に勝てるはずはない。・・・自由・平等を世界の諸国並みに理解していないからこそ、わが国は今日のような自閉的状況に陥ったと見るべきであろう。同じデモクラシーの原理に立脚するといいながら西洋の大学にはなぜ日本の大学ほど形式的な会議は多くないのか――そうした現場の相違を日本の西洋研究者はなぜ直視しないのか。Publish or perish『論文を活字にして発表するか、さもなくばポストを失うか』という大学人としての国際場裡での生存競争の原理を尊重し、その競争に勝ち抜くためには、形式的な会議のための会議などに出席している閑な時間は、本来大学人にはあり得ないはずである。」(p194~195)
大学人というと、どうもピンとこないのですが、
いざ、これがよい書評を読めるかどうか、
ということでしたなら、興味が俄然わいてきます(笑)。
ということで、集英社新書の鹿島茂さんの講演での
この箇所を引用。
「ずっと毎日新聞の書評委員をやっていますが、
これは丸谷さんに呼ばれたのが始まりです。・・
丸谷さんが毎日新聞の書評面を全面的に作り変える
という作業を担当されることになりました。その
ときに、僕も書評委員の一人として呼ばれたのです。
書評委員会の最初の集まりがありまして、
そのときに丸谷さんが書評の方針を話されました。
その方針とは、従来の書評委員会方式はやめる。
書評委員会方式というのはですね、週に1回、
書評委員会が開かれまして、書評委員が
この本を取り上げたいのだがと他の委員に
お伺いを立てる。すると、それはいいとか、
やめておけとか、委員がいろいろと意見を言う。
そういう合議制で取り上げられる本が決められる
システムです。しかし、丸谷さんはこの方法は
やめると主張されたのです。その方式だと、
どうしても、皆が文句を言わない無難な本だけが
選ばれることになるからです。丸谷さんは、
書評委員がこれは絶対にいいと思った本を責任を
もって書評するという自由な方法を提起されました。
そして、第1回の会合で(ただし、これはパーティで
書評委員会ではありません)、丸谷さんが
『書評三原則』ということを言われたんです。・・」
(p137~138)
うん。この『書評三原則』も引用したいのですが、
ここまでにしておきます(笑)。
集英社新書「書物の達人 丸谷才一」
この2冊に会議のことが出てきたので、
ここに引用しておきたくなりました。
まずは平川氏の文から、
「日本人が国内的平等をいくら重んじたところで言語の国際的不平等に勝てるはずはない。・・・自由・平等を世界の諸国並みに理解していないからこそ、わが国は今日のような自閉的状況に陥ったと見るべきであろう。同じデモクラシーの原理に立脚するといいながら西洋の大学にはなぜ日本の大学ほど形式的な会議は多くないのか――そうした現場の相違を日本の西洋研究者はなぜ直視しないのか。Publish or perish『論文を活字にして発表するか、さもなくばポストを失うか』という大学人としての国際場裡での生存競争の原理を尊重し、その競争に勝ち抜くためには、形式的な会議のための会議などに出席している閑な時間は、本来大学人にはあり得ないはずである。」(p194~195)
大学人というと、どうもピンとこないのですが、
いざ、これがよい書評を読めるかどうか、
ということでしたなら、興味が俄然わいてきます(笑)。
ということで、集英社新書の鹿島茂さんの講演での
この箇所を引用。
「ずっと毎日新聞の書評委員をやっていますが、
これは丸谷さんに呼ばれたのが始まりです。・・
丸谷さんが毎日新聞の書評面を全面的に作り変える
という作業を担当されることになりました。その
ときに、僕も書評委員の一人として呼ばれたのです。
書評委員会の最初の集まりがありまして、
そのときに丸谷さんが書評の方針を話されました。
その方針とは、従来の書評委員会方式はやめる。
書評委員会方式というのはですね、週に1回、
書評委員会が開かれまして、書評委員が
この本を取り上げたいのだがと他の委員に
お伺いを立てる。すると、それはいいとか、
やめておけとか、委員がいろいろと意見を言う。
そういう合議制で取り上げられる本が決められる
システムです。しかし、丸谷さんはこの方法は
やめると主張されたのです。その方式だと、
どうしても、皆が文句を言わない無難な本だけが
選ばれることになるからです。丸谷さんは、
書評委員がこれは絶対にいいと思った本を責任を
もって書評するという自由な方法を提起されました。
そして、第1回の会合で(ただし、これはパーティで
書評委員会ではありません)、丸谷さんが
『書評三原則』ということを言われたんです。・・」
(p137~138)
うん。この『書評三原則』も引用したいのですが、
ここまでにしておきます(笑)。