集英社新書の新刊
「書物の達人 丸谷才一」を読む。
世田谷文学館で2013年におこなわれた連続講演を
一冊にしたもの。講演者はというと
川本三郎・湯川豊・岡野弘彦・鹿島茂・関容子。
講演ですから、そのうち一人だけ聞きたいのなら
私は、鹿島茂氏の講演をおすすめ(笑)。
講演を基調としておりますので、
すらすらと最後まで読めました。
菅野昭正の「はじめに」がありますが、
これは主催者側の挨拶なので、
内容は豊富なのですが、
講演録なのに、活字の重さがあり
ここは飛ばして、読まなくてもよし。
うん。丸谷才一氏なら、きっと、
ここは、カットしてもいいかなあと思われたかも(笑)。
たとえば、湯川豊氏の講演は、実際は実現せず、
けれども、活字にはなったようです。
そこに「思考のレッスン」について
「鹿島茂さんは文庫版の解説で、大学生が卒論を
書くのにこれ以上の参考書はない、という意味のことを
いっています。インタヴューは、文藝春秋の出版PR誌
『本の話』に連載されたのですが、聞き手は私と
年若い同僚の村上和宏さんがつとめました。」(p67)
うん。湯川氏を前に丸谷さんは「思考のレッスン」を
語っていたのですね。岡野弘彦氏の講演では、
丸谷才一氏の俳号の玩亭を通じて連句を巻く様子を
紹介したあとに、墓碑銘を書いて欲しいと頼まれ、
それが「『玩亭墓』の三文字なんです」(p122)と
あるのでした。
鹿島茂さんの講演が、何か、
そんなこと一言もいっていないのに喪失感が満ちて、
それを埋めるような充実感が味わえる講演です。
うん、私のお薦めの講演になっておりました。
「書物の達人 丸谷才一」を読む。
世田谷文学館で2013年におこなわれた連続講演を
一冊にしたもの。講演者はというと
川本三郎・湯川豊・岡野弘彦・鹿島茂・関容子。
講演ですから、そのうち一人だけ聞きたいのなら
私は、鹿島茂氏の講演をおすすめ(笑)。
講演を基調としておりますので、
すらすらと最後まで読めました。
菅野昭正の「はじめに」がありますが、
これは主催者側の挨拶なので、
内容は豊富なのですが、
講演録なのに、活字の重さがあり
ここは飛ばして、読まなくてもよし。
うん。丸谷才一氏なら、きっと、
ここは、カットしてもいいかなあと思われたかも(笑)。
たとえば、湯川豊氏の講演は、実際は実現せず、
けれども、活字にはなったようです。
そこに「思考のレッスン」について
「鹿島茂さんは文庫版の解説で、大学生が卒論を
書くのにこれ以上の参考書はない、という意味のことを
いっています。インタヴューは、文藝春秋の出版PR誌
『本の話』に連載されたのですが、聞き手は私と
年若い同僚の村上和宏さんがつとめました。」(p67)
うん。湯川氏を前に丸谷さんは「思考のレッスン」を
語っていたのですね。岡野弘彦氏の講演では、
丸谷才一氏の俳号の玩亭を通じて連句を巻く様子を
紹介したあとに、墓碑銘を書いて欲しいと頼まれ、
それが「『玩亭墓』の三文字なんです」(p122)と
あるのでした。
鹿島茂さんの講演が、何か、
そんなこと一言もいっていないのに喪失感が満ちて、
それを埋めるような充実感が味わえる講演です。
うん、私のお薦めの講演になっておりました。