和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

パソコンオフタイム。

2014-10-08 | 短文紹介
三島邦弘著「計画と無計画のあいだ」(河出文庫)を
読む。森村桂さんの本を読んだ時のような気分になる。

一つだけ引用。

パソコンオフタイムについて書かれておりました。


「せっかくなので、野生の感覚を磨くために、
日常で工夫していることを少しだけ述べておく。」

「パソコンは反論の余地なく便利な機器だし、
ぼくもまったく使わないで出版社を営めたかと
問われると正直自信はない。・・・
ただし、『野生の感覚』という観点から
それを見たとき、果たして感覚の練磨に
貢献しているかというと、ほぼゼロだと
感じている。いや、ゼロどころか、実際は
マイナスではないだろうか。パソコンの
怖いのは、その前に座ってキーボードを
かちゃかちゃ動かしているだけで、
仕事をした気になることだ。だけど、
それでは世界は変わらない。
ツイッターやフェイスブックが世界を
変えるといわれるが、もし本当にそうだと
したら、きっと『個人』が希薄化している
のだと思う。パソコンでちょろっと何かを
書いて、ぽちっとクリックする行為と、
危険を省みず身をさらして何かを動かそうと
する行為とでは、重さが違う。少なくとも
一対一で面と向き合ったとき自分の意見を述べ、
他者の意見に耳を傾け、共感しあえる関係を
築けるかどうかは、生身の感覚次第であろう。
それはパソコンではけっして身につかない感覚である。
パソコンには依存性があり、なかなか、その前から
離れられない。・・・・
野生の感覚を落とさないでパソコンを活用する。
そのための工夫が現代ビジネスシーンにおいては
欠かせない。わが野生の感覚が、そう告げている。」(p184~186)


そういえば、三島邦弘氏が
立ち上げたミシマ社の本、
家に4冊ありました。
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