和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

月の名近き秋なれや。

2014-10-11 | 詩歌
有朋堂文庫の謡曲集上(大正三年)を
内容はわからねど、慣れることが肝心(笑)
ということで、ときどきパラパラと
ひらくのでした。

今日は、「姥捨」(p182~187)。
はじまりは

  ワキ次第謡
月の名近き秋なれや、月の名近き秋なれや、
姨捨(おばすて)山を尋ねん。
   詞
かやうに候者は、都方に住居仕る者にて候。
我未だ更科の月を見ず候程に、この秋
思ひ立ち姨捨山へと急ぎ候。


おわりは、というと

   シテ謡
月に馴れ、花に戯るる秋草の、露のまに、
   地 謡
露のまに、中々何しにあらはれて、胡蝶の遊び、
   シテ謡
たはむるる舞の袖、
   地 謡
返せや返せ、
   シテ謡
昔の秋を、
   地 謡
思ひいでたる妄執の心、
やる方もなき今宵の秋風、
身にしみじみと、恋しきは昔、
忍ばしきは閻浮(えんぶ)の、
秋よ友よと思ひ居れば、
夜も既にしらしらと、
はやあさまにもなりぬれば、
我も見えず、旅人も帰るあとに、
   シテ謡
独捨てられて老女が、
   地 謡
昔こそあらめ今も又、
姨捨山とぞなりにける、
姨捨山となりにけり。



さてっと、
今日は宵祭り。
明日は山車曳き回し。

輪になって踊る、
盆踊りの空には、
月が見えますように(笑)。
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