Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

「ふつう」のこと

2023年04月12日 06時30分00秒 | Weblog
 「来春、関西地方の私立大大学院の修士課程を終える女子学生(23)はインターンシップ(就業体験)に参加し、昨年12月の早期選考で内々定を得たIT企業の担当者に、他社の選考を受けないよう迫られた。オンライン面談で繰り返し念を押され、内定を辞退しないことを求める「承諾書」へのサインも求められた。

 就職氷河期以前の人がこの記事を見れば、隔世の感を禁じ得ないことだろう。
 かつて、「他の会社は回らなくていいよ」というフレーズは、(内)内定の”合言葉”であり、この言葉を受けて就活生はようやく安心し、たいていは就活をやめたからである。
 だが、これが今や、「ハラスメント」になり得るというのである。
 さて、法曹界でも、これに似た状況を見ることがある。
 いわゆる五代事務所(五大法律事務所とは?)においては、「サマー・クラーク」を開催するなどにより、司法試験を受ける前から有望そうな若手を囲い込んでいる(ロースクールにおける人格蹂躙とクソな競争)。
 司法試験に合格し、修習が始まると、こうした若手は”任官”、つまり裁判所や検察庁からの勧誘を受けることが多い。
 裁判所・検察庁も、若い優秀な人材を求めているからである。
 このため、人材を巡る競争が生じることになるが、私が修習していたころ、内定を出した裁判所・検察庁サイドは、「ゴダイ/ヨンダイを辞退せよ」という指示(オワハラ?)を出していたようである(但し、今もこういう指示が出ているかどうかは分からない)。
 実務修習時代のある同期は、(当時の)四大事務所の一つのA事務所から内定をもらっていたが、修習開始後は検察から強く勧誘を受けていた。
 こういう修習生にとっての大きな悩みは、やはり「転勤地獄」の問題である。
 例えば、配偶者が弁護士(の卵)だと、一緒に転勤出来ず単身赴任生活が長くなってしまうため、これを懸念する人がいるのだ。
 その同期は、交際相手の女性が都内の法律事務所から内定をもらっていたので、「仕事(検察官)を取るか、彼女を取るか」で悩んでいた。
 そこで、同期の修習生たち(みんな年上)に相談したのだが、私は、「その問題設定自体がおかしいのでは?『転勤族の人とは結婚しない』というのであれば、しょせんそういう人物だということではないか?」と指摘し(今思えばなんと無責任な発言であることか!)、他の先輩方も「やはり仕事が第一」という助言をしたのである。
 結果、その同期はA事務所に内定辞退を告げたのだが、A事務所側の反転攻勢(オワハラ?)も猛烈だったようで、何度か呼び出しを受けて説得を受けていたらしい。
 最終的に、彼は検事に任官された。
 だが、振り返ってみてつくづく思うのは、どうして採用する側は、相手に対して「ふつうのこと」が出来ないのだろうか、ということである。

 「「オワハラ」と非難されないようにすることは、別に何ということはなく、人と人が出会う時にする「ふつう」のことをすればよいのだと思います。それができない/ついやってしまう採用活動は異常と言われても仕方がありません。
コメント
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