「ベートーヴェンチェロ・ソナタ第4番 ハ長調 op.102-1
R.シュトラウスチェロ・ソナタ ヘ長調 op.6
権代 敦彦無伴奏チェロのための“Z”ゼータ op.186(2022)~ 堤春恵委嘱作品 ~
プロコフィエフチェロ・ソナタ ハ長調 op.119
マルティヌーロッシーニの主題による変奏曲 H.290 」
「アンコール
ラヴェル:ハバネラ形式の小品
カサド:愛の言葉 」
カサド:愛の言葉 」
80歳とは思えない力のこもった演奏で、私の見る限り、楽譜は殆ど見ておらず、指も殆ど見ていない。
というのも、ほぼ常時目を瞑っていらっしゃるからである。
恍惚とした表情で演奏していらっしゃるが、たまに目を開くと、正面約4メートルのところに座っている私と視線が合ってしまう。
目を合わせると何となく申し訳ない気がするので、そんな瞬間を事前に予測して、目線をピアノの河村さんの方向に逸らせるようにした。
ところで、チェロというのは、楽器の中でも一番「身体性」が強いように思う。
ピアノは指の延長で、トランペットが口の延長だとすれば、チェロは「手と体幹」の延長という感じがする。
なので、おそらく、チェリストは普段から腕の筋肉と体幹の筋肉(腹筋など)を鍛えているのではないだろうか?
また、ピアニストの場合、演奏に没頭しているうちに上下の動きを行う人が多いが(その極限は、立ち上がってしまうアンジェラ・アキ)、堤さんに限らず、チェリストの場合、演奏に没頭してくると左右に揺れる人が多いようだ。
最後のアンコール曲:カサド「愛の言葉」では、殆ど椅子から離れて踊りだそうとしておられた。
こんな感じで、90歳記念、100歳記念も聴いてみたいと思う。